短編集

□仙道夢 銭湯夢物語
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俺は学校の近くの寮で生活している。
ワンルーム一部屋があたる。
トイレは部屋にあるけど、お風呂や食事は共同。

男子のみが下宿しているわけだから、
なかなか男臭い。

夕ご飯を食べ終わると、みんな次々にお風呂へ行く。

俺はというと、近所の銭湯へ行く。

門限の21時までに帰ってくれば、問題はない。

「おばちゃん!行ってくるわ!」

「はぁい!気を付けてね!」

今日も銭湯に行くとわかっているのだろう、
おばちゃんには、こんな会話で済ませた。


ー銭湯までもう少し。

反対側から、高校生と思われる女がこちらに向かってくる。
眼鏡に髪をひとつに縛り、Tシャツに短パン。ラフな格好をして。

たまに見る子だ。

あちらは俺のことを知っているようで、こんばんは。とだけ言ってくれる。


「こんばんは。」

「こんばんは。」

とだけ言葉を交わして別の入り口から入って別れる。

昔ながらの銭湯。

一応、番台からは女子更衣室は見えないようだけど、
この親父は絶対に見ていると俺は思う。
「おっ、仙道くん!今日もお疲れ様!」
と番台の親父にお願いします。と言いながら綴りのチケットを1枚渡す。




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