清田夢
□陵南の応援
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ー日曜日
[今日バスケの試合見に行かない?]
[いいよー(๑•̀ㅂ•́)و✧]
[お目当ては?笑]
[仙道さーん♡]
[やっぱり笑]
[じゃ、8時半に市民体育館ね!]
[りょーかい(*•̀ᴗ•́*)👍]
LINEの相手は未来(みく)。
これがまた可愛い子で、私にはもったいないくらいの友達。
未来は、バスケ部の仙道さんのことが好きらしくて、バスケに夢中。
何度か練習は見に行ったけど、仙道さんはたまにしか真面目にやらない。
越野さんの方が熱くて良くない?って言ってもミーハーでいわゆるイケメン好きな未来は全く聞く耳を持たない。
──市民体育館前ー
「おはよう!」
「おはよう名無しさん!さっ!はやく入ろ!陵南て人気だから、前の席埋まっちゃうよ!」
はやくはやくと急かされ、私も走った。
「ほらー、いっぱいじゃん。」
「ほんとだね。前の方は埋まっちゃってるね・・・」
「あっ、あの前の席のジャージ!海南じゃない?」
「・・・あー、海南だね。」
「海南てさ、すごいんでしょ?」
「・・・すごいのかなぁ?よくわからない。」
海南と言えばノブ。
私は海南が凄いのかは、よく知らないし、中学のときからノブのプレーを見ていたから、正直よくわからなかった。
「名無しさん!」
振り向くと、そこにはノブ。
それと、大きくて優しそうな人。
あー、この人が・・・・・・。
「・・・あっ、ノブ。おはよ。
あっ、おはようございます。」
私は隣の人にも軽く挨拶した。
「おはよう。ノブの彼女?」
なんてサラッと聞いてきた大きい人。
「いいえ。違います。」
私はキッパリ答えたのに、ノブはアタフタしている。ちょっと笑えた。
「ノブの友達の名無し名無しさんです。
いつもノブから話は聞いています。
神さんですよね?」
「そうだよ。」
ニッコリ笑って、よろしくね。と言われた。なんて爽やかな人なんだ・・・
「陵南の応援か?」
「うん。そうなんだけど・・・座るところなくてね。」
未来が私の服を少し引っ張った。
「ねぇ、海南に知り合い居たの?」
「うん。清田。近所なの。」
未来は、へぇー。初めて聞いたと言いながら私の少し後ろに隠れている。
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