清田夢

□陵南の応援
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ちょっと待って。と言って俺は、最前列の海南が集まる場所に降りた。

「武藤さん、おはようございます。」

「おう、おはよう。」

「あの、友達が座るところなくて困ってて・・・そこでいいんで、座ってもいいっすか?」
前から3列目の端の席を指さして言った。

「なに?そんなのダメに決まってるだろ!」

武藤はそういう所は厳格だ。牧さんならダメとは言わないだろうに。

「・・・そうっすよね。すいません。」
俺は頭を下げて、上に居る3人に向かって、
「ごめーん」
と✖のジェスチャーをした。

「・・・ちょ、ちょっと待て!」

「・・・??」

武藤さんは、俺の手をグイッと引っ張り、小声で俺に言った。

「・・・清田!友達ってのは、あの女の子ふたりのことか?」

「はい。そうですけど・・・」

「なぜ早く言わない!女の子だと!いいに決まってるじゃないか!」

「・・・え?」

武藤は立ち上がり、
キリッとした顔で
「お嬢さんたち!さぁ!こちらに!」
と言って、隣を詰めさせて2席開けさせた。
「・・・武藤さん、オンナ好きなんすね・・・」
と呆れたように言うと
「バカヤロー!レディファーストと言え!」
と言いながら隣をさらに詰めさせて、俺と神さんの分の席もあけさせた。


武藤さん、恐るべし。



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