堕落した色松
□Triangle
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「おい、おそ松!!これ以上honeyの事を言うな!それに、一松は俺のだ!!」
「分かってるよ、そんなの。でも、好きになっちゃったんだから仕方ないじゃん。」
「そうゆい問題では無い!素直に諦めるんだ、おそ松。」
「何でカラ松が決めるんだよ!俺は一松に言ってんの!」
一松を近づけまいと、カラ松の身体で隠し、おそ松とカラ松の間で火花が飛ぶ。
遠くでその光景を見せられ、チョロ松とトッティは青ざめる事しか出来ない。
「な、何なのコレ…茶番なの?」
「いや、…違うね…」
もう、この兄弟は終わったと感じ、ここには居たくない一心で、ゆっくり部屋を出て行く。
「行こう、十四松…」
「うん!行こう!」
三人が出ていくのを、一松は羨ましそうに見ているが、あっちに入った所で、おそ松の言葉のせいで入れる訳もない。ただ、カラ松にしがみつくしか出来ない。
「やっぱり一松は、こんな痛いカラ松の方が良い?」
「…えっ、…あ、あの……」
「「…………………」」
一松の言葉を待つ二人の兄。どうしてこんな事になってしまったのか、グルグルと色んな事が一松の頭の中で駆け巡る。
恐る恐る上を向くと、二人はじっと見つめてくる。
「……っめなさ…い……ごめ、な…さい……」
どうしていいかわからないまま、涙が溢れてくる。カラ松にしがみつく手に力が入り、カラ松も強く抱きしめてくる。
「そっか〜、やっぱフラれるの当たり前だよな!二人、ラブラブだし。」
あっけらかんと言うおそ松は、ゆっくり一松に近づくと「ごめんなぁ」と言いながら頭を撫でた。
「だが、おそ松。…その…いつ見たんだよ…?」
見られた事を気にし、カラ松はおそ松に訪ねる。
「え〜、確か〜お前らが付き合ってるってカミングアウトした次の日かな?」
「え"っ、そんな前!?」
「!?」
「あぁ。それからね何回か覗いてたんだよね!ッグハッ!!」
「勝手に人の恋路を覗くんじゃなぁぁい!!おそ松!!ッガハッ!!」
殴られた頬を撫でながら、おそ松もカラ松を殴り返す。
「だったら、家でイチャコラするなよ!!ヤるんだったら、ラブホ行け!家でヤっからこんな事になるんだろぉ!!」
おそ松のやり場のない想いは、カラ松へと向けられる。
お互い頭に血が登り終始がつかない有様に、一松はオドオドするだけ。
二階の騒がしさに、部屋を出て行った三人が戻り、チョロ松がおそ松を、十四松とトッティはカラ松を抑える。
「ちょっと!!二人共落ち着いて!!」
「喧嘩止めなよ!!一松兄さん怯えてるよ!!」
トッティの言葉に二人動きが止まり、一松の方を見た。
「……………」
「「……………」」
俯く一松の姿に頭が冷えたのか、二人は大人しくなる。チョロ松とトッティはお互いため息をつくと、それぞれ手を離した。