色松1
□夏色模様
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いくら皆が居なくなったとはいえ、部屋の中は相変わらず暑い。
流れ落ちる汗が気持ち悪いと感じながらも、扇風機の前に陣取る事しか出来ない。
(暑いなぁ…プール気持ちイイだろうなぁ…。でも怖いし…)
部屋でゴロゴロしていると、戸が開きカラ松が入って来くるなり、腕をつかまれた。
「な、何?どうしたの?」
「庭にビニールプール作ったから、水浴びしないか?暑いだろ?」
強引に腕を引っ張られ、庭に出ると小学生の時に使ってたプールがあり、水が張られた状態になっていた。水面が太陽の光でキラキラ光、とても気持ちよさそう。
「ぶわぁっ!!?」
半袖短パンのまま、後ろから水をかけられ、水の冷たさを感じる。後ろを向けばカラ松が水鉄砲で一松めがけかけてきたのだ。
「ちょっと、カラ松兄さん冷たいよ!」
「冷たいんじゃなくて、気持ちイイだろう?Brother」
水のお陰で暑さが和らぐ。お返しにと、もう一つプール浮かぶ水鉄砲を取り、カラ松にかけ返せば、「やられた〜」と倒れ込む。
暫くバシャバシャと水を掛け合っていたが、そのうち疲れて服のままプールに入り二人並んで寝転んだ。
相変わらずジリジリと日差しは強いが、今は凄く心地が良い。
「一松、喉乾いてないか?」
「…うん、少し乾いた…」
するとカラ松はプールから出ると、外の蛇口に置いてあったバケツから流水で冷えたラムネを二本取り出し、一本を一松渡した。
「…ありがとう。なんか、贅沢だね。」
「プールに行かなくても楽しいだろ?」
何でも気が利いて優しいカラ松に、一松は憧れと安心感を覚え始めていた。
眩しい日差しの中、次第に瞼が重くなる。カラ松の肩に一松の頭が寄りかかり、カラ松はふと一松ね頭にキスを落とした。
寝ぼけ眼で何があったか良く分からないまま、一松は眠りについてしまった。