色松1

□夏色模様
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そんな中、部屋の戸が開くと母さんがプールのチケット4枚を手に入ってきたのだ。

「皆〜、今商店街のクジ引きでプール招待券が当たったんだけど、この暑さだから皆でプールにでも行ってきなさい。足らない二人分は出してあげるから。」

「「「「「プール!!??行く行く!!プール行きま――――す!!」」」」」

予想外のイベントに兄弟達はテンションMAX。今までの暑さは何処へやらといった状態。

「お―――し、早く支度して皆でプール行こうぜ!!」

「何持ってく?浮き輪に水中眼鏡に…あ、ローションもいるよね!」

楽しそうに支度する皆の側で浮かない顔の一松は、ソファーから動こうとしない。

「悪いんだがBrother達、俺はこれから約束があるからpassだ。」

いきなり出たカラ松の言葉に、一松が顔を上げカラ松を見た。

(僕も行きたくないなぁ…。泳げないし、人いっぱいだろうし…。)

「そっか、カラ松はパスな。一松も早く支度しろ?置いてくぞ?」

「…おそ松兄さん…僕ちょっとお腹痛いから家に居る…」

「お腹痛いの大丈夫?」

「変なモン食ったんじゃないの?」

「おそ松兄さんじゃないんだから、そんなのあるわけないでしょ。分かった、母さんには二人行かないって言っとくよ。」

「…あ、ありがとう。チョロ松兄さん…」

行きたくないプールに行かずに済んで一松はホッとする。プールは嫌いじゃないが、前に 知らない人に身体を触られてからトラウマとなっていたのだ。
他の皆は支度が終わると、ドタドタと階段を降りプールへと出かけて行った。
カラ松と二人、部屋に残った一松はふとカラ松を見る。

「カラ松兄さんは約束何時からかの?」

「ん〜、約束なんてないさbrother。ただ行くのが面倒だったから、断る口実に過ぎないさ。」

「…そうなんだ、カラ松兄さんにもそんな時有るんだね。」

何だか嬉しくてついニッコリ笑ってしまい、思わずハッとすると、優しく頭を撫でるカラ松の手。

「お腹痛いの大丈夫か?Brother。」

「…うん、大丈夫。僕も…行きたくなくて嘘付いちゃったから。」

「そっか…、痛くないなら安心した。」

未だに頭を撫でる手が優しくて、気持ちが良い。カラ松に頭を撫でられるのが好きだと感じた。
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