色松1

□誰のせい?一松Ver.
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顔を見られたく無いのか、一松に背を向け離れようとするカラ松を、咄嗟に捕まえる一松はカラ松を掴む腕に力を込めた。

「…ちがっ…嫌いとかじゃなくて…僕もどうしていいか…分からなくて…」

いきなりの展開が多すぎて、頭がクラクラする中、気付けばカラ松の唇が一松の唇と重なっていた。


「!!??」

(なになに、何なの!?えっ?今キスされてる?はっ?何で?カラ松が僕にキスしてる!!!!!????)

顔が離れ、カラ松の顔が分かれば一段と顔が赤くなり、次の瞬間にはカラ松の胸の中に一松は収まっている。

「…ごめん、一松…こんなの気持ち悪いよな…。だけど、お前のそんな顔見てたら我慢出来なくなった。これが最後になるが、言わせてくれ…」

カラ松の胸の中で速まる心臓の鼓動を感じながら、一松は「…なんだよ…」とたずねた。

「一松、お前が好きだった…。いや、今でも、多分これからもずっと好きだ。唯一俺を兄貴としてみてくれて、守らなくてはと思ってから、いつしか恋愛感情になっていた。ごめんな、やっぱり俺には良い兄貴にはなれなかったな…。」

淋しそうに言うカラ松の態度に、一松の不安が過ぎる。

(…こ、これが最後なんてイヤだ…!カラ松の気持ち聞けたのに…大好きな人から、僕の事好きって言ってくれたのに…)

去ろうとするカラ松の背中に抱きつき、その腕にも自然と力が入る。

「…な、何でも一人で…決めつけるなよ…、確かに、こんなの普通じゃねぇよ…。」

震える身体を何とか静めようと更に力が入る。

「…でも、誰が気持ち悪い…って言ったよ?」

カラ松の背中に抱きついていた姿勢は、カラ松から抱きしめられる体制へと変わり、一松はそんな愛おしいカラ松ね背中へと腕を回した。

「…ずっと…憧れてた…自分には無いもの持ってて……、僕にだけ優しく接してくれてて……。」

「…カラ松の前では…素の自分でいられるんだ…。カラ松…優しいから、そんなカラ松が……。」


今まで恥ずかしくて隠していた想い…


ずっとバレないように、いつもカラ松に絡んでは隠し続けた想い…


今やっと素直に言える…

『…すき…』



叶わぬ恋だと思ってた…
こんな自分を好きになってくれる筈無いって…

でも、違った…
ずっと大事にされてたんだ…

だから、これからはずっと大事にしていくんだ…



Fin
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