堕落した色松

□Triangle8
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カラ松が出て行った部屋で一人蹲る一松は悩んでいた。
本当に好きなのはカラ松なのに、おそ松の顔がチラつく。有り得ない程の罪悪感は次第に一松を飲み込んでいった。
二階を片付け終わり、一階へと降りてきたトッティが茶の間の前で声をかける。
「カラ松兄さん、一松兄さん、入るよ?」
静かな茶の間を開けると、一松一人蹲っている。辺りを見るがカラ松の姿がない。
「一松兄さん、カラ松兄さんどうしたの?」
「……………」
返事を返さない一松に近づくと肩を力一杯掴み、一松の身体を起こした。
「一松兄さん!!カラ松兄さんは!?」
不安顔で一松を見るトッティの顔に、一松は顔を歪めながら背けた。
「……出て行った……」
震える声で話す一松の声は、とても小さく不安に駆られている。折角カラ松が戻って来たのに、また出て行った理由が分からなかった。
頑なに口を閉ざす一松からはもう、何を聞いても話してくれないだろう。
「一松兄さん、探さなくて良いの?戻って来なくなっちゃったらどうするの?」
その言葉に鼓動が早くなる。だか、探して見つけたとしても、どの面下げて会えばいいのか、第一今は会いたくないと思ってしまう。
動かない一松に痺れを切らし、トッティは上に居るチョロ松と十四松に声をかけ、三人はカラ松を探しに家を出た。




「もう!何でまた出ていっちゃったわけ!?探す方の身にもなって欲しいよ!」
「原因は何だよ?トッティ。」
「知らないよ!何も話さなくなっちゃったし…やっと収まったと思ったのに…」
「カラ松兄さ〜ん、どこぉ〜?」
「このままじゃ埒あかないから、手分けして探そう!」
「じゃぁ、僕こっち!」
「なら僕はこっち行くよ!」
三人はカラ松が行きそうな所を手当たり次第に探す為、それぞれ分かれた。



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