堕落した色松

□Triangle7
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おそ松との話を切り上げ部屋を出て直ぐに、一松は座り込むと涙が溢れてくる。おそ松の悲しそうな顔に、自分が傷つけてしまったと……
自分にはカラ松が居るけど、おそ松には誰も居ないと……
声を殺して泣いた。




「「……………」」

「……遅いね…大丈夫かな……?」

「……今の所静かだから大丈夫だよ……」

茶の間で四人は不安と戦いながら待っている。何か物音がしたら直ぐに飛び込むつもりで、静かに待っていた。
そのうち、やっと一松が戻って来る。目を赤く腫らし、いかにも今まで泣いてたと言う顔を見てカラ松が近づいた。

「……大丈夫か?」

「……うん………平気だから……」

中に入り近づくカラ松を見て、胸の奥が微かに痛む。おそ松の顔がタブって見えたのだ。思わず顔を背けカラ松から離れるとちゃぶ台の近くに座った。

「……一松……?」

「……あ……うん………」

様子のおかしい一松に不安を抱きつつも、隣にカラ松は座った。他の三人も一松の様子を伺う反面、おそ松の事が気になる。チョロ松が様子を見に立ち上がろうとした時、トッティがそれを止めた。

「……まだ一人にしといた方が良いよ……」

「……………そうだよね……」

重たい空気が辺りを包み、沈黙が続いた。

そこへ二階から降りてくる足音に、皆が耳を澄ませ、そのまま外に出て行こうと玄関に向かう。
一松は咄嗟に顔を上げるがどの面で会えばいいのか分からない。慌ててチョロ松が追いかけ、おそ松の手を止めた。

「……兄さん、どこ行くの?」

「………………」

「おそ松兄さん?」

「……手、離せ………。ちょっと、気晴らし行くだけだから……」

顔も合わせず、チョロ松の手を払うとおそ松は外に出て行った。

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