堕落した色松

□Triangle4
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その日の夜、茶の間で一人で寝ている一松はカラ松の事が気になって仕方がない。なのに、怖くて行動出来ない自分に苛立ち情けなくて、枕を濡らしていた。
いつもはカラ松の隣で、安心感でいっぱいになりながら眠っていた日々。だが、今日は一人、カラ松の居ない布団で寝ていた。

「…っぅ……、カラ松ぅ……」

日中、母さんが干して畳んでいたカラ松の服をこっそり隠し持ち、それを今抱いて横になっている。
お日様の匂いとともに、微かに香るカラ松の匂いが余計に淋しさを膨らませる。
その淋しさを紛らわせる様に、カラ松の服に顔を埋めれば、下半身が疼き始め、恐る恐る自分のモノに手をあて、カラ松が触る様に弄る。

「……っらま、つぅぅ……あっ、……ンっ」

漏れる声を零すまいと、奥歯を噛み尚も自分のモノを触る。カラ松の服に埋もれ、カラ松と同じ様に触れば、直ぐにイキそうになる。

(……なんだ、もうイキそうのかぃ?…一松……)

脳裏に残るカラ松の声が聞こえてくる。
足を広げ、自分の指をカラ松の指と想像しながら、普段触らないソコへと這わせた。

「……っくぅ……、ンっ…」

(……一松…、………一松……)

自分の名前を呼ぶカラ松の声に、中に入れた指を動かし始め、いつも触れられる場所を探す。次第に揺れる腰に、中の指が一点をついた。

「……ニャッ…ぁあ、……」

熱くなる身体は抑える事が出来ない。次第に激しくなる両手が一松を追い込んでいく。
ままならない呼吸でカラ松の服の匂いを嗅ぎ、声が漏れないよう服に噛み付く。

(……一松、我慢しなくていいぞ?……)

「……んっ、ンンっん━━!!」

一気に絶頂に上り詰め、自分の手を汚す。気怠い身体で起き上がり、テュッシュを手に汚れた所を拭き、洗面所に向かう。手を洗うため蛇口を捻り、鏡に目を向ければ、視界には自分の酷い顔が飛び込んで来る。
ふと、首に残る歯型と紅い跡に、一松は顔を歪めた。
手を綺麗に洗うと、バシャバシャ顔を
洗い、また茶の間に戻る。
そして、カラ松の服を手に持ったまま布団に入り、虚しい感情に押し潰されそうになりながら、カラ松の服を抱きしめ眠りについた。



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