堕落した色松
□Triangle
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「なぁ、一松。明日兄ちゃんとデートしない?」
『Triangle』
寝る前の一時の時間。
皆が各々暇を持て余す中、突如、おそ松から出た言葉。
一斉がおそ松を凝視する中、ニマニマと笑っている。固まる一松を不思議そうに見ると、もう一度同じ言葉を発する。
「一松聞いてる?明日兄ちゃんとデートしよう!」
「ちょっと!いきなり何言ってんの!?一松男だよ!兄弟だよ!」
止まっていた思考が動き始めたチョロ松は、慌てて皆が知っている事を口にする。
「うん、そうだよ?」
「何でいきなりそうなるのかが、分からない!しかもダークな闇を抱えてる一松なんだよ!何考えてるか分からない奴だよ!」
顔面蒼白で突っ込むチョロ松に対し、至って普通のおそ松は「そうだよ。」と返すだけ。
「ねぇ、何?ドッキリなの?どっかにカメラとか隠してる?」
部屋の中をキョロキョロと不安げに物色するトッティ。
「デー盗塁ホームラン!!!!」
部屋中を走り回る十四松は、チョロ松の頭にしがみつくなり頭をかじる。
「十四松!頭かじらないで!今、大事な話してるから!」
「ハイハイハイハハハイハーイ!!」
気を取り直し、灰なっているカラ松を横目で見ながら、話を進める。
「最悪な事に、一松はカラ松兄さんと付き合ってるんだよ?兄弟の中からまさかのカップル誕生しちゃった上に、おそ松兄さんまでもなの!?」
「そうだよ!おそ松兄さん!これ以上、兄弟の中から出さないでよ!しかも何で、よりにもよって、一松兄さんなの?意味わかんないんだけど!」
気が遠くなりそうになりながら、チョロ松は頭を抱え、トッティも悲痛の声をあげる。
「だって仕方ないじゃん。見ちゃったんだもん。」
「「「「!!!???」」」」
一同、時が止まる―――
そして、チョロ松とトッティは一松とカラ松の方に顔を向けると、真っ赤な顔のカラ松と一松。
その光景に、チョロ松とトッティは一瞬にして石化。
「チョロ松兄さ〜ん、トッティ〜、どうしたの〜?」
十四松の手が二人の目の前でヒラヒラ動いているのに気づき、えらい勢いで壁まで下がる。
「いやぁ――――――――、やめてぇ―――――――!!!想像しちゃった!!!想像しちゃったよ――――――!!」
「イヤイヤイヤ、有り得ないから!!兄弟でマジS●Xとか有り得ないから―――――!!」
既にパニックに陥る二人は、身体を震わせ、大量の冷や汗をかく。
「「………………」」
その光景にカラ松と一松は何も言えない。ただ顔を紅くするだけ。
「そお?いやね、一松普段は闇を背負ってカラ松に絡んでるけどね。あの時の一松可愛くてさ〜!!もう、ニャンニャン言ってあの甘える姿が堪んなくて〜、よがりながらね!惚れちゃったんだよね!」
悪戯っぽく笑うおそ松だが、言ってはいけないプライベートな部分をさらりと言われ、一松は普段抱きつかないカラ松に隠れる様に抱きつき、カラ松もまた、渡さないと言った感じで一松をだきしめる。