色松1

□お互いの存在
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むさ苦しい暑さの中、イラつく一松が部屋に居た。
扇風機を回しただけでは、この暑さをしのげる筈も無く、身体中に多量の汗をかき、横にはかき氷をたべ終えた皿が転がっている。
そこに運悪くカラ松が帰ってきた。
「あっ、マイ ハニー、ただいま!」
このクソ暑い中何処に出掛けていたのか、コイツもまた多量の汗をかき、そのまま一松に抱きつこうとする。
「暑いわ!ボケ松!!近くに来んじゃねぇ!!」
カラ松の頭を一発殴り、カラ松から離れると扇風機の向きを変え、その風を浴びた。
「今日は随分、機嫌が悪いなぁ一松。」
「あ?何、俺みたいなクズは機嫌も悪くなっちゃいけねぇのかよ。誰がそんな事決めたんだ?オメェか?クソ松。お前何様なんだよ?あぁ、ギルドガイだからか?つか。その訳わかんねぇ言葉とアクセントやめてもらえません?本当、意味分かんねぇよ。お前の存在…!!」
嫌味を連呼しながら、ふとカラ松を見ると、滝の様に涙を流し、食いしばる顔が飛び込んで来た。
「……えっ、あの………」
「一松は……俺の存在を否定するのか……そうなんだな!?」
そう言い残すとカラ松は、おいおいと泣きながら部屋から出ていってしまった。
あまりの暑さに八つ当たりしたことを後悔するも、既に手遅れ。
次第に青ざめる一松の顔。項垂れ、やっちまったと呟く。カラ松がああなると非常に面倒くささがマックスに達する事が分かっていたからだ。
この暑に加え、自分が巻いた種とは言え、正直うんざりした。
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