色松1

□雷怖い
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どんよりと暗く分厚い雲はゴロゴロ鳴り、時には強い光と共に、身体に響く程の音を鳴らした。
その度に、布団に包まる一松は、ガタガタ震えている。

『ドゴォォォォン……』

「ひぃぃっ………!」

こんな日だと言うのに、皆何処に行ったのか、部屋には一松一人。
浸すら雷と戦っている。

(………何で誰も居ないんだよ!……マジ、クソ松どこ行ったんだよ……!)

『ピカッ……ドォォォォォォン………』

「ひぃぃっ!!!」

そのうち、大粒の雨が降り出し、辺りは一瞬で土砂降りになった。
未だに布団に包まる一松は、誰かが帰ってきた事をサッチ。直ぐに布団から出ると、そいつに抱きつきしがみつく。
顔面にしがみつかれ、固まるのは言わずと知れたカラ松。何が起きたのか、微動だにしない。
カラ松の匂いで、カラ松本人と分かると、一松は泣き出した。

「……ひっぐっ……ぐずっ………ごわかっだよ〜………」

「……ちょっと…一松……一回降りようか。前が見えん……」

階段で立ち止まるカラ松に、一松はイヤイヤをする。剥がそうにもかなりの勢いでくっついてる為、剥がれない。
仕方無く、ゆっくり階段を登り部屋に入った。

「………一松、座りたいんだが……」

カラ松の要望はまた、一松のイヤイヤで却下。
そのうち、おそ松とチョロ松が帰りその光景に立ち止まった。

「………ど、どうしたの……?」

「……一松、なにしてんの……?」

「……帰るなり、この有様で……降りてくれないんだ……」

『ドゴォォォォォォォン……』

「ひぃぃっ!!」

凄まじい雷の音にビビる一松は、更にカラ松にしがみついた。その途端、一松の身体が顔に密着し呼吸がままならない。

「あぁ、一松、雷苦手だったな!」

「あぁ〜、それでか!」

「……いひまふ、ふるしい…いひまふ……?」

息が出来ず、顔が青くなる。
意識が段々と薄れて行くのが分かり、バタバタとカラ松がもがき出し、そのまま一松の方へと倒れてしまった。

「ぐはっっ!」

その衝撃で、カラ松の頭が腹を圧迫し、カラ松から一松が離れた。

「おい、カラ松!大丈夫か!?」

「しっかりして、カラ松兄さん!!」

二人は慌ててカラ松に寄り、仰向けにすれば、鼻を延ばし何ともだらし無い顔に、二人はかたまる。

「……カ、カラ松!カラ松!」

一松の呼びかけにも反応しないカラ松は、完全に延びていた。

「カラ松ぅぅぅぅ!死んじゃやだァァァ!」

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