色松1

□夏色模様3
1ページ/5ページ

夏休みも中盤という頃、今夜は町内会での肝試し大会の日である。

あれからの二人と言えば、一松のカラ松に対する対応が凄まじく変化を遂げてしまった。
何かある度、カラ松に絡み、蔑む一松の姿に、周りの兄弟は闇一松誕生と話す始末。
だが、カラ松はどんなに冷たく接しられても、怒らず、いつも以上に一松に優しくなっていた。

「なぁ、いちまぁぁつ。今夜の肝試しは、この俺と組みたいだろ?良いとも、一緒に行こうじゃないか、my sweet Brother!」

「あ"ぁ!?何でお前みたいなクソ松と行かなきゃ行けないの?つか、肝試しとかって、面倒臭いし作り物のお化けに驚くほど子供じゃないし、行きたきゃ独りで行け!クソ松がっ!!」

あの一件以来、性格がひん曲がり手がつけられない状態にも関わらず、カラ松は諦めない。

「何をそんなに照れてるんだァい?いちまぁぁつ。俺はどんな一松でも構わないんぜ、Brother〜。」

呆れながらカラ松から離れ、外に行こうとする一松の腕をカラ松が掴む。

「何?気持ち悪いの移るからはなせよ。マジあんたのそれなんなの?」

カラ松の腕を振り払い、一松は猫達の裏路地へと出かけて行った。

はぁ、と一つため息を付きソファーに持たれかかれば、一松の温もりが残っている。

「カラ松も頑張るねぇ、あの日以来ずっとアレなのに、良くめげないよね?」

「なぁに、愛する一松だぞ?可愛いじゃないか!」

「なぁ、それマジで言ってんの?」

「………」

おそ松の言葉に返す言葉が見当たらない。正直、今まで素直でカラ松の後を付いて歩いてた時の一松はもう、居ない。自分が招いた結果なんだと、腹を括っていても、あの態度にはかなりカラ松も凹んでいる。
そんなカラ松の姿におそ松も同情していた。

「とにかく、今日はお前に協力してやっから、なっ?」

「…あぁ、すまないな。」

「良いって、大事な弟の悩みだろ?」

励ます様に笑いながらカラ松の背中を叩き笑いかければ、カラ松もニコリと笑い返した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ