お姉ちゃんシリーズ

□僕の姉さんは団子の虜
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サクラから聞いた…ねぇ。

ここ最近の自分の行動を思い出す。

2週間ほど前、二人でツーマンセルの任務についた。そんな大層な任務じゃなく、書簡を届けるだけ。
任務終わりに団子を食べて、ゲンマの千本と団子の串をすり替えて遊んだのは最高に楽しかった。しばらく気付かず団子の串を咥えてプラプラさせているゲンマが面白かった。
ただ、マジで殴られた。
別に普通だ。甘い雰囲気なんて一個もない。

他に…なんかゲンマと絡む事あったっけ?

うんうん悩んでいると、不意にリーの声が聞こえた。

「サクラさんが、団子屋で姉さんの団子を横から齧るゲンマさんを見たって言ってましたよ!」

弟が何やら自慢気だ。いや、大抵サクラとなにかあればこの顔になるのだが。

サクラと団子屋…。
あぁ!






そう、あれはサクラと久々に甘栗甘に行っていた時。

『おばちゃーん!お団子一つちょうだーい!』
「私はアンミツでー!」

団子の大好きな私は、ウキウキしながら席に運ばれてきた団子を口に運ぼうとしていた。今日の団子も可愛いなぁ、リーの目みたいに綺麗なまん丸〜とルンルンの私は隙だらけだったに違いない。

『あーーーーん』

愛しの団子を口に運ぼうと思って動いていた私の手は、今まさに口をつけようとした瞬間勢いよく掴まれた。
と思ったら次の瞬間には私の可愛い団子は憎っくきアイツの口の中に収まっていた。

『…ゲンマ…なんのつもり?』

現状を理解してフツフツと沸いてきた怒りにドスの効いた声が出る。

「わりぃな、お前の見るに耐えない馬鹿ヅラ見たらつい」

『イイ度胸してんじゃない…表でな!』

そこからは血で血を洗う喧嘩が始まった。まぁ、いつものじゃれ合いの範囲内か?

そう言えば、その時サクラがなんかキャーキャー言ってたような…。
アレで勘違いしたなら脳内お花畑にも程がある。




とりあえず、リーにはビシッと間違いを正そうと思い振り返るが、すでにそこに弟の姿はなかった。

「姉さーん!早く顔洗ってきて下さいね!冷めちゃいますよー!」

えー?言い逃げか、弟よ?!

『んもぅ!お姉ちゃんを何だと思ってんのよ!』

とりあえず時計を見れば確かに急がなければならない時間だったので、急いで準備をして食卓へと向かった。

少し冷めてしまった中華粥はとっても美味しかった。流石、我が弟!

一応家を出るまでに、リーの誤解は解けた。サクラ教でサクラ狂な可愛い弟は訝しんでいたけれど…。

さて、今日も任務頑張りましょうかね。








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