お姉ちゃんシリーズ

□雲と姉と俺
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シカマルside

縁側でボンヤリ雲を眺めていたら、姉貴が側に来た。

別にシスコンではないが、俺から見た姉はいつだって完璧だ。顔は母ちゃんそっくりだが、あの威圧感は受け継いでないようでまさに大和撫子ってヤツだ。母ちゃん、黙ってりゃ美人だからな。
でも、忍術の腕も体術もすげー。

あんな優しいのに、どうやって忍務やってんだ?一度気になってアスマ先生に聞いてみた事がある。先生は、あいつは悪魔に魂売り飛ばしてる、なんて言ってるがありゃ嘘だろう。

とりあえず、せっかく久々にのんびりした雰囲気だったので声をかける。

『なぁに、シカマル?』

声をかければ、柔らかい声が帰ってきた。

見上げた姉貴はやっぱり綺麗で、雲と重なる優しい笑顔が俺のとっておきの癒しだ。こっぱずかしいから、本人には言わねーけど。

そして、そのまま姉貴の顔を見上げながら明日の修行に付き合って欲しいと言えば、間髪入れず色よい返事をもらえた。

だが、俺は知ってる。姉貴は明日忍務がある。もちろん情報源はアスマ先生だ。
しかもツーマンセル。絶対おかしい。
でも、姉貴は忍務は無いと言っているしアスマ先生の見間違いかもしれねーな。

別にシスコンって訳でもねーが、姉貴の予定を知ってる自分が恥ずかしくてニコニコと見つめてくる綺麗な顔から目線を外してお礼をする。

そしたら、頭があったかくなった。この歳になって撫でられるなんてちょっと癪だが、姉貴なら構わねーや。ふと最近お互いの忙しさから余りゆっくりする時間も無かった事を思い出し、隣に座る姉貴に頭を預けた。決してシスコンではない。

跳ね除けられる心配などもちろん皆無な俺はそのままその時間を堪能しようと目を閉じる。

『ふふっ…今日のシカマルは甘えたさんね。』

なんて姉貴の柔らかい声が、多少からかいの色を含んでいるけど、んな事どーでも良くて二人の時間を堪能する。

お姉ちゃん、今はまだ下忍の俺じゃ頼りないかもしれねーけど、俺にも守らせてくれよ。
姉貴を傷付けるヤツは、俺が全部片付けてくるからよ。今まで、ずっと守られてきた事を知ってる。
これは俺からの一生かけてのお返しだ。返品不可だぜ、お姉ちゃん。
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