お姉ちゃんシリーズ

□雲と姉と俺
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「なぁ、姉貴…」

私の可愛い弟が縁側に座りながらこちらを見上げてくる。可愛い…。

『なぁに?シカマル』

内心その可愛さに悶えながらも、それを悟られないようにシカマルの方へと寄っていく。頭頂部付近でしばった髪がツンツンして我が弟の可愛さに拍車をかけている。可愛い…天使か。

「…あのさ、明日ヒマねぇの?ちょっと修行付き合ってくんねー?」

近づいた私を見上げる弟の可愛さにノックダウン寸前の私は、一も二もなくOKの返事を返した。
うん、明日の任務はゲンマさんとツーマンセルだったはず。ゲンマさんなら一人でOKでしょう。よし、仮病使おう。確か書簡を何処かに届けるだけだったし…。

「別に任務あるなら、その後で良いからな」

ウチの弟マジイケメン。惚れる。いや元々惚れてるけども。

『ん?明日は休みだから、シカマルの気の済むまで付き合ってあげるよ』

にっこり笑って言えば、目線を庭に戻したシカマルがボソリと呟くのが耳に入る。

「…ありがとな」

内心その可愛さに荒れ狂っている私だが、シカマルの前でそんな失態は犯さない。他の人の前なら、シカマルの可愛さを語って転がりまわっているけれど。

姉らしく、その真っ黒なツンツン頭を優しく撫でる。
あ、ウチの子意外と髪は柔らかいんですよ。サラサラだし。…可愛い。

『シカマルのためなら、お姉ちゃんはなんでも出来るよ』

隣に腰掛けながらそう言えば、シカマルはちょっと戸惑った後、頭を私の肩に預けてきた。こんな盛大なデレは珍しい。ここが天国か。一瞬、思考停止仕掛けた脳みそを叱咤してシカマルを撫でる。

『ふふっ、今日のシカマルは甘えたさんね』

辛うじてそう口に出せば、肩に預けた頭はそのままに明後日の方向にめをやり、
「うっせ…」
と答えるシカマルは正義だ。

明日は、なんでも教えてあげよう。悪い所も心を鬼にして伝えてあげる。
良い修行は君を守ることにもつながるから。私がキミを守るよ。
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