短編集

□風邪
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「…う」
ふと目を覚ます。
時計を見ると、午後4時。
「…っ、アンクのご飯…」
必死に起き上がろうとして─
「…アンク」
お茶のペットボトルが、机の上にあった。しかも、今気づいたが、首に冷えピタが貼ってある。自分で持って来た覚えが無いのに。
…わざわざ持って来てくれたのか。私の為に。
そこまで考えて、枕元のスマホがチカチカと光っているのに気づいた。
見ると、アンクからのLINEが1件。
『翔平の所で食べてくる』
つまり、寝てろと。
「…ありがとう」
スマホを閉じて、再び目を閉じる。
アンクの優しさが、改めて分かった日だった。
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