短編集

□風邪
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*アンク視点
「…」
何なんだ。何時もなら一緒に食べて、うるさく喋りかけてくるのに。
そう思いながら、箸を手に取った所で、はたと気づく。
前、映司にもこんな事があったな。いつもうるさい奴が妙に静かになったと思っていたら、比奈の奴が色々持って来て、「映司君の介抱をしろ」と耳を引っ張られた。
「…風邪か?」
思えば、アイツの顔が少し赤かった気がする。
「…チッ」
…手間掛けけさせやがって。
朝食を食べ終え、食器を台所に置いたアンクは、スマホを手に取り、冷蔵庫や棚を漁り始めた。
「…風邪の看病の仕方を教えろ」
朝一番に電話を掛けられそう言われた翔平は、「は?」と一言口にした。
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