クリスタル横丁

□軒下物語
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とある臨時休業の八百屋の軒下では・・・


ジャック「うひゃ〜濡れちゃった!」
セルフィ「アタシも〜!これからユフィに迎えに来てくれるようにお願いするけどジャックの分の傘も持ってもらおっか?」
ジャック「大丈夫だよ〜。さっき兄妹LINEで応援要請したらクイーンが迎えに来てくれるってさ〜」
セルフィ「そっかそっか。ならお迎えが来るまで二人でのんびり待ってよっか〜」
ジャック「だね〜」


サァアアア―――・・・


ジャック「セルフィはなんかゲームとかやってる〜?」
セルフィ「最近は『積む積む』かな〜」
ジャック「あ〜、徳を積んで輪廻からの解脱を目指す悟りゲームね〜。僕も暇潰しにたまーにやってるよ〜」
セルフィ「ランクはどの辺?アタシは阿修羅」
ジャック「僕は菩薩」
セルフィ「へ〜、ジャック上手いんやね〜」
ジャック「僕ゲーム好きだからね〜。オンライン対戦とかもよくやるし」
セルフィ「あ、イメージ出来る。でもアタシもオンラインとか対戦とかよくやるんよ〜」
ジャック「へ〜いが〜い」
セルフィ「アービンとアタシが組んだら敵無しなの!」
ジャック「ほほぅ、これは挑戦を煽られてますな〜。ならばこちらはキングと一緒に挑むとしましょう〜」
セルフィ「キングってゲームやるん?」
ジャック「やるよ〜。ああ見えて意外にやり込む派」
セルフィ「へ〜」
ジャック「でさ、負けたチームがアイス奢るってのはどう?」
セルフィ「さんせー!」
ジャック「今度の土曜日で大丈夫?」
セルフィ「うん!アタシもアービンも任務入ってなかったと思うし」
ジャック「こっちも特に何もなかったし大丈夫かな〜。キングに連絡しとかなきゃ」
セルフィ「アタシもアービンに連絡しておかなきゃ。来てくれると思うんやけどな〜」


ジャック(アーヴァインがセルフィのお誘いを断るなんて100%ないって断言出来るな〜)


ユフィ「お〜いセルフィ〜!」

セルフィ「あ、ユフィ!」

ユフィ「お待たせ!って、ジャックもいるじゃん!アタシ傘一本しか持ってきてないよ?」
ジャック「あー大丈夫大丈夫。僕の方はもうすぐクイーンが迎えに来てくれるからさ」
ユフィ「ならいいけどさ」
セルフィ「あ、今ここでユフィが持ってきてくれた傘をジャックに渡せばアタシとユフィで相合傘?」
ユフィ「しちゃう?」
ジャック「それじゃぁクイーンに迎えに来てくれた意味がなくなっちゃうから駄目だよ〜!それに見せつけるの禁止!」
セルフィ「禁止されました〜!」
ユフィ「あははっ!んじゃ、帰りますか」
セルフィ「じゃーねージャック〜」
ジャック「ばいば〜い」

セルフィ「帰りになんか買ってかない?」
ユフィ「いいね〜!アタシアイス!」
セルフィ「アタシも!リュックもアイスでいいかな?」
ユフィ「大丈夫でしょ」


ジャック(いいな〜、僕もアイス食べたいな〜)


クイーン「ジャック!」

ジャック「あ、クイーンだ〜」

クイーン「寒くなかった?大丈夫?」
ジャック「へーきへーき〜」
クイーン「シンクにお願いしてお風呂入れてもらってあるから帰ったら入りなさい」
ジャック「は〜い。あ、でも帰りにコンビニ寄ってアイス買っていい?」
クイーン「風邪引くわよ?」
ジャック「少しくらい大丈夫だって〜。クイーンも買いに行こうよ〜」
クイーン「もう、仕方ないわね。じゃぁみんなの分も買って帰りましょう」
ジャック「りょーかーい!」











潰れた店の軒下では・・・


アーヴァイン「おかしいな〜。僕晴れ男なのに」
ヴィンセント「悪いな、私が雨男だ」
アーヴァイン「でもそうなら相殺されて曇りにならない?」
ヴィンセント「相殺されるものなのか?」
アーヴァイン「願わくば相殺されててほしいじゃん?」

ユフィ「あ、ヴィンセントとアーヴァインだ」

アーヴァイン「あ、ユフィとセフィ!いい所に!悪いんだけど傘入れてってくれない〜?」

セルフィ「ええよ」

アーヴァイン「やった!じゃぁ早速―――」

セルフィ「はい、アタシの傘。アタシはユフィの傘に入るから」

アーヴァイン「いやいやいや違うでしょ!!男二人の相合傘とか誰が得すんの!!?」

セルフィ「でもアタシたち女の子と相合傘したら変な噂が立つんとちゃう?」

アーヴァイン「むしろウェルカムだから!

ユフィ「ほらほらセルフィ、アーヴァインと相合傘してきなよ。アタシはヴィンセントと入るからさ」
セルフィ「は〜い」


ユフィ(1貸しね)

アーヴァイン(サンキューユフィ!)

セルフィ(ユフィと仲良くするんよ?)

ヴィンセント(ユフィとの何かを期待されている・・・)


ユフィ「コンビニに寄るんだけどいい?」
ヴィンセント「ああ。何か買うのか?」
ユフィ「アイス」
ヴィンセント「そうか。私もついでにビニール傘を買うとしよう」
ユフィ「それまでの命か・・・」
ヴィンセント「何だ?」
ユフィ「な、何でもない!」
ヴィンセント「ならいいが・・・それより傘を貸せ、私が持つ」
ユフィ「サンキュ〜。身長差の所為で高く持つの大変だったかららくちんだね!」
ヴィンセント「もう少しこちらに寄れ。濡れるぞ」
ユフィ「う、うん・・・エヘッ」
ヴィンセント「嬉しそうだな?」
ユフィ「ま、色々ね」

セルフィ「うんうん、ええ感じやね〜」
アーヴァイン「セフィももうちょっとこっちに寄りなよ〜。濡れるでしょ?」
セルフィ「ありがとアービン。でも大丈夫だよ。それにアービンが濡れちゃうし」
アーヴァイン「僕は平気だって〜。こうやってコートも着てる訳だしさ」
セルフィ「でも大丈夫だから気にしなくて―――」


ガァーーーー(車が走ってくる)


アーヴァイン「あ!危ない!」

ガバッ(セルフィを抱き寄せて車に背中を向ける)

バシャァッ!!(アーヴァインの背中に盛大に水がかかる)


アーヴァイン「ふぅ、セフィ大丈夫?」
セルフィ「アービンが守ってくれたら大丈夫だよ〜!それよりアービンが・・・」
アーヴァイン「このくらい平気だよ〜。クリーニングに出せばコートだって元通りだし」
セルフィ「後でコンビニでアイス奢るね。さっきのお礼!」
アーヴァイン「別にお礼だなんて〜」
セルフィ「ううん、させて?アタシ本当に助かったし」


そんな訳でアーヴァインがその日に食べたアイスは人生で一番美味しかったとか。
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