クリスタル横丁
□リアルおままごと
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また仕切り直し
セフィロスオーナー「チッ、面倒な奴だ」
トレイ「誰が面倒な展開に運んでいってると思ってるんですか!?」
セフィロスオーナー「黙れ。私がルールだ」
チャキ(正宗を構える)
トレイ「Yes、全ては閣下の望むままに・・・」
エルオーネ「とにかく離婚展開は無しの方向で!」
セフィロスオーナー「では互いに財産目当ての仮面夫婦設定で行くぞ」
トレイ「貴方どんだけ殺伐とした設定やりたいんですか!?」
シンク「もっと普通に家庭内別居してるとか如何にして不倫・浮気を隠してるかっていう設定にしようよ〜」
トレイ「それも大概普通じゃないですよ!?」
セフィロスオーナー「ではお前の言う普通とは何だ」
トレイ「普通の子供がやってる自分の家の日常風景ですよ!両親の真似とか兄弟間でやってるやり取りとか!」
シンク「でも私とトレイの本当の両親は戦争で死んじゃって覚えてないし今はマザーが私たちのお母さんだよね」
エルオーネ「私の両親も戦争で死んでるし・・・勿論レインとラグナおじさんの事は本当の両親のように思ってるよ!」
セフィロスオーナー「私の母はジェノバだけだ」
・・・・・・
・・・・・・
トレイ「・・・すいません、『普通』はやめましょう」
シンク「大抵ゲームのキャラ達っていうのは波乱万丈な人生送ってるから仕方ないよね〜」
トレイ「メタな事を言うんじゃありません!!」
セフィロスオーナー「やはり離婚設定しかないな」
トレイ「だから却下って言ってるじゃないですか!!」
エルオーネ「ここは思い切って全員血の繋がりのない疑似家族っていうのはどう?」
トレイ「別方向に思い切りましたね!?」
シンク「じゃあ『FF7アドベントチルドレン』を踏襲しよ〜」
セフィロスオーナー「それは私への嫌味か?」
チャキ
エルオーネ「まぁまぁ、そう怒らずに。孤児院っていう設定なんかどうですか?」
トレイ「それFF8の設定ですよね!?ていうかおままごとの内容からどんどん遠ざかってますよ!?」
シンク「じゃあ『渡る世間〇鬼ばかり』をモチーフにしようよ〜」
トレイ「それもおままごとには向かないでしょうが!!」
セフィロスオーナー「チッ、心の狭い鬱陶しい男だ」
トレイ「私が悪いんですか!!?」
エルオーネ「そうだ!私たちはファンタジー作品のキャラなんだしファンタジーな日常おままごとにするってのはどう?」
トレイ「メタを言わなければ素晴らしい提案でした!!」
シンク「そんじゃ、それでいこ〜」
またまた仕切り直し
シンク「おはよ〜勇者のお兄ちゃん」
トレイ「勇者のお兄ちゃんって・・・これドラク〇ですか?」
エルオーネ「おはよう、二人共。今日はSeeDの試験があるんでしょ?頑張ってね」
トレイ「え?今度は本家本元FFの設定ですか?しかもFF8!」
セフィロスオーナー「この世界は繋がった・・・光となるか闇となるかはお前次第だ」
トレイ「今度はキングダムハ〇ツ!?設定統一して下さいよ!!」
シンク「あ、今日は日直当番だった〜。早く行かなきゃ」
セフィロスオーナー「私もニブルヘイムの焼き討ちに行ってくる」
トレイ「行かないで下さい!!」
エルオーネ「うっ・・・!」
バタッ(エルオーネが倒れる)
シンク「お母さん!!」
トレイ「何事!?」
エルオーネ「呪いを・・・かけられたわ・・・呪いを解く魔法の薬を・・・お願い・・・!」
トレイ「いきなり超展開過ぎやしませんか!!?」
エルオーネ「ファンタジー世界の日常だしこのくらいのアドリブは有りかな〜って」
トレイ「こんなのがファンタジー世界の日常世界であってたまりますか!!」
シンク「どうしよう勇者のお兄ちゃん!?」
トレイ「勇者のお兄ちゃん設定まだ引き摺りますか!?と、とりあえず呪いの特徴とそれに対応する魔法の薬の生成を―――」
セフィロスオーナー「見捨てるぞ」
トレイ「無常の決断早っ!!!」
セフィロスオーナー「どうせ材料を調達して薬を生成した所で命は尽きる。
そして生成された薬は別の者の手に渡るシナリオとなっている。
今助けようが見捨てようが運命は変わらん。見捨てても問題はない」
トレイ「メタが酷い上に人としてあまりにも非常過ぎて勇者どころか魔王のお兄ちゃんになっちゃいますよ!!」
シンク「魔王のお兄ちゃんも斬新でいいね〜。採用―――」
トレイ「しませんから!」
エルオーネ「トレイの言う通りその展開はダメですよオーナー。
それに私を助ける選択をしないと次のストーリーへのフラグが建ちませんよ?」
トレイ「フラグとか軽々しく言わないで下さい!」
セフィロスオーナー「チッ、面倒だ。おい、ナレーションで飛ばせ」
シンク「お任せ!」
シンク『何者かによってかけられたエルオーネお母さんの呪いを解く為に旅立った私たち三人。
呪いに関する本は容易く見つかったものの、呪いを解く為の材料の採取は困難を極めた。
ある時は雲を超える程の高き山を登り、ある時は世界の中心に近い程の海を潜り、ある時は謎の秘境を訪れた』
トレイ「壮大な冒険に出てる間にエルオーネ母さんは死んでしまうと思うのですが・・・」
シンク『そして材料を探す内に私たちはとある衝撃の事実に直面する。
それは私の前世が世界の平和を象徴するプリンセスであったこと。
セフィロスお父さんがその前世の世界を脅かす魔王であったこと。
勇者のトレイお兄ちゃんが前世では村人Aであったこと』
トレイ「私の設定えらく適当ですね・・・」
シンク『そしてエルオーネお母さんは前世では魔王を封印する為に消滅してしまった女神であったこと・・・。
今回エルオーネお母さんが呪いで倒れてしまったのも前世の魔王の記憶が残るセフィロス父さんの復讐であった』
セフィロスオーナー「離婚をする為に仕方なくやった。後悔はしていない」
トレイ「結局離婚に帰結ですか!?」
シンク『悲しい現実を前にしかし私と勇者のトレイお兄ちゃんは涙を呑んで戦った!
前世のプリンセスの力を解放して戦う私と善戦する勇者のトレイお兄ちゃん』
トレイ「私現役の勇者なのに善戦ですか・・・」
シンク『そして勇者のトレイお兄ちゃんの死と引き換えに私はセフィロスお父さんを討伐する事に成功した』
トレイ「あ、私死んだ」
シンク『父は魔王として死に、兄は戦死し、残された私は激闘の末に手に入れた薬を持って苦しむ母が待つ家に一人寂しく帰還した』
エルオーネ『シンク・・・お父さんとお兄ちゃんは・・・?』
トレイ「壮大な冒険に出掛けてたのにお母さん意外に長く持ちましたね・・・」
シンク『お父さんとお兄ちゃんは・・・困っている人を助ける為に旅に出ちゃったよ・・・』
エルオーネ『・・・そう』
シンク『全てを見透かしたような瞳でしかし、エルオーネお母さんは静かに頷いて何も言わず薬を飲んだ。
それから私たちは母と娘、二人仲良く静かにひっそりと暮らすのでした。
温かく輝いていたあの日の・・・家族四人で暮らしていた頃の思い出を抱きながら・・・』
END
シンク「どうだったどうだった〜?」
トレイ「私たちに普通のおままごとは無理ですね・・・」
今度こそEND
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