クリスタル横丁
□花見の場所取り
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クリスタル公園――夜――
ジタン「よし、ここでいいな」
クラウド「ギリギリいい場所が取れたな」
ジタン「場所取りしてるのがチラホラいるもんなー。ま、とりあえずシート引こうぜ」
クラウド「ああ」
ジャック「あ、クラウドとジタンだ〜」
キング「お前らも場所取りか?」
ジタン「お、ジャックにキングじゃねーか。そうだぜ、俺たちも場所取りに来たんだ」
ジャック「そっかそっか〜。お互い頑張ろうね〜」
ジタン「ちゃんと暇潰し用のゲームは持ってきたか?」
ジャック「もっちろん!」
キング「トランプに将棋にスマホのチャージャー、デュエルディス◯も持ってきてるぞ」
クラウド「デュエルディス◯!?」
ジタン「やっぱ持ってくるよな、デュエルディス◯!俺も持ってきてるぜ!」
クラウド「お前も持ってきてるのかよ!?」
ジタン「は?もしかしてクラウド、持ってきてねーのか?」
クラウド「持ってきてる訳ないだろ!!」
ジャック「え〜!!?」
キング「あり得んな」
ジタン「おいおいクラウド、花見の場所取りでデュエルディス◯持ってくるのは常識だぜ?」
クラウド「デュエルマスターの世界の常識をここに持ってくんな!!」
ジャック「あーあ、これじゃタッグバトル出来ないね〜」
キング「予備もないしな。一対一でやるしかない」
クラウド「そもそもやらねーよ」
ネロ「おや、誰かと思えば・・・」
ジャック「あ、ネロとヴァイスだ」
クラウド「何しに来た」
ネロ「何って決まってるじゃないですか。お花見ですよ」
ジタン「帝王とその弟の癖に花見の場所取りやってるぞ」
キング「案外アイツらの地位も大したことないんだな」
ネロ「聞こえてますよ」
ヴァイス「ネロと二人で夜桜の花見をしに来ただけだ」
クラウド「だったら地下で血桜でも見てろよ」
キング「なんだったら劇場版銀◯〜新訳紅桜編〜でもいいぞ」
クラウド「ちゃっかり宣伝すんな」
ネロ「心配しなくても大人しくしてますよ。ね?兄さん」
ヴァイス「ああ」
キング「妙な事をしたらセフィロスオーナーを呼ぶボタンを押すからな」
ヴァイス「全力でやめろ」
ジャック「押したい!押したい!あ〜指が!」
ヴァイス「やめろと言ってるだろ!!」
セフィロスオーナー「何の騒ぎだ」
全員「!!?」
シュワッ(ヴァイスとネロが闇に消える)
クラウド「ジャック!」
ジャック「僕まだ押してないよ〜!」
セフィロスオーナー「お前らはそこで花見をするのか?」
キング「・・・そうだ」
セフィロスオーナー「チッ。ならばあそこにするか」
スタスタスタ(セフィロスオーナーが遠くの桜の木の下に移動する)
クラウド「・・・あれもしかして」
ジタン「花見の場所取り、だな、多分」
ジャック「もしかしてエルオーネと?」
クラウド「いや、エルオーネはエスタでラグナたちと花見をするらしい」
ジャック「え?じゃあ・・・」
ジタン「ジェネシスとアンジールと花見だろうな」
ジャック「え〜!?あの有名人のジェネシスさんとアンジールさんと〜!!?」
ジタン「セフィロスオーナーとは親友同士なんだよ。きっと今回は上手く都合が合ったんだろ」
ジャック「うわ〜あの二人に会えるなんて嬉しいな〜!サイン貰えるかな!?」
キング「落ち着けジャック、とりあえず色紙はあるから隙を伺って貰うぞ。
くれぐれもセフィロスオーナーの機嫌を損ねないようにな」
クラウド「何で色紙持ってんだよ」
シュワッ(闇からネロが顔を出す)
ネロ「すいません、銀髪の悪魔さんはどっか行きましたか?」
ジタン「離れた所で花見の場所取りを始めたぞ」
ネロ「あぁ、本当ですか・・・仕方ありません、今回は諦めましょう」
クラウド「花見出来ないだけでメチャクチャ残念そうにする悪役初めて見たぞ」
ジタン「んな事よりもなんかやって時間潰そうぜ〜」
クラウド「それもそうだな。何にする?」
ジタン「地面に落ちてる桜の花びらの数を数える」
クラウド「ぜってーつまんねーだろそれ!!」
それから数時間後・・・
ジタン「あ〜花びら数えるのも飽きたな〜」
クラウド「マジで数えたよ、俺ら・・・」
ジャック「王手飛車取り」
キング「待った」
ジャック「待った禁止〜」
キング「タンマ」
ジャック「タンマ禁止〜」
キング「ストップ」
クラウド「どれも同じだろ」
キング「仕方ない、参りました」
ジャック「やった〜!僕の勝ち〜」
ジタン「ジャックは将棋強いよな」
ジャック「武士たるもの、将棋は強くなくちゃね」
クラウド「武士ってそんなもんか?」
キング「それよりそろそろ腹が減ってきたな」
ジャック「じゃぁ夜食にしよっか」
ジタン「俺たちもそろそろ夜食タイムといくか」
クラウド「そうだな」
ジャック「実は僕たちね〜コンビニで買ってきたんだ〜」
クラウド「やけに嬉しそうだな」
ジャック「夜中にコンビニ行って何か買うってのやった事ないからさ〜」
キング「コンビニなんてものは近くになかったし行けもしなかったからな」
ジタン「あぁ、夜中の外出禁止令とかでか」
キング「なんだか悪い事をしている気分になったが中々面白かった」
クラウド「慣れない事をするとそういう気持ちになるよな」
ジャック「エロ本コーナー立ってみたかったけど店員さんの見える位置でさ〜」
キング「それにどれも袋綴じをされていたから表紙しか拝めなかった・・・くっ!」
クラウド「未成年がそんなとこに立とうとすんな」
ジタン「三丁目の裏通りにあるコンビニは人が少なくていいぞ。店員もじーさんだし、しかも袋綴じが―――」
クラウド「やめろっ」
セフィロスオーナー「・・・」
パカっ(弁当箱を開ける)
セフィロスオーナー「・・・」
エルオーネ『花見の場所取りをするんですよね?夜食作ったので良かったら食べて下さい』
セフィロスオーナー「・・・フン」
ジタン「なぁ、やっぱアレって・・・」
クラウド「言うな。フラグが立つ」
ゴッ!!!(メテオが二人に直撃する)
ジタン「おごっ!」
クラウド「うごっ!」
ジャック「相変わらず地獄耳だね〜」
キング「気をつけないとな」
クラウド「地面とこんにちはしたついでだ。ジタン、俺は先に寝るぞ」
ジタン「おう。1時間したら交代な」
ジャック「あれ、寝るの?」
ジタン「朝まで起きるのはしんどいだろ?だからこうして二人でくれば片方が寝て片方が起きてって出来るんだよ」
ジャック「あ、なるほど〜。僕はてっきり広いシートを一人で見張るのは大変だから二人で来るのかと思ってたよ〜」
ジタン「ははっ!ま、そーいうのもいるかもしれねーけどな」
キング「だが、そうと分かれば話は別だ。ジャック、俺も先に寝ていいか?」
ジャック「いいよ〜。僕はジタンと話してるから1時間後に起こすね〜」
キング「ああ、頼んだぞ」
ジャック「早速だけどジタン、ここいらでオススメの服屋さんって知ってる?」
ジタン「オススメの服屋か〜。電車で三駅行ったところのオメガ駅の近くにいい店があるぜ。それから―――」
翌日
クラウド「ん・・・もう朝か」
キング「ジャックに一度も起こされなかったな・・・」
クラウド「ジタン、遠慮なく起こして良かった―――」
ジャック「なんて事があってさ〜」
ジタン「あっはは!そりゃ傑作だな!」
クラウド「いやに元気だな・・・つか、なんか透けてないか?」
スカスカ(キングがジャックに手を当てる)
キング「突き抜けるぞ」
ジャック「あ、二人共おはよ〜」
ジタン「いや〜話が盛り上がって朝まで語り明かしちまったよ」
ジャック「でも流石に眠いな〜。なんか幻覚見えるし〜」
ジタン「ジャックもか?実は俺も見えるんだよ。なんかよく分かんねーけど俺とジャックの体が真下で倒れてるんだ」
クラウド「それお前らの本体!!!」
キング「慣れない夜更かしをした所為で天に召されようとしてるな」
クラウド「とりあえずなんとかして魂戻すぞ!」
スパッ(正宗が二人の魂の根元(?)を切り裂く)
クラウド「・・・はい?」
セフィロスオーナー「呼ばれた気がした」
スタスタスタ・・・
ジャック「あれれー?なんだか体が軽いや〜」
ジタン「まるで全てのしがらみから解き放たれたような気分だぜ」
クラウド「解き放たれるな!体と言う名のしがらみから解き放たれるなぁ!!」
キング「どんどん昇天していくぞ」
クラウド「ジャーック!ジターン!カムバーック!!」
END
→オマケ