クリスタル横丁

□回覧板
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エースたちの家


セブン「回覧板?」

ガーネット「そう。町内のイベントや連絡事項が載ってるの。それでそれを確認したらチェックを入れて次の家に回すの。
      普通にポストに入れるだけでいいんだけど、こういうのは初めて?」

セブン「そうだな。外局にいた頃はマザーやそのお手伝いさんがやってただろうし、魔導院なんかは言うまでもない。
    初めて回覧板なんてものを手に持ったよ」

ガーネット「じゃあ、私はセブンが初めて回覧板を手にした瞬間に立ち会えたのね。なんだか嬉しいわ」

セブン「そうか?」

ガーネット「誰かの初めての体験に立ち会うってのは嬉しいものなのよ。その人の驚く顔とか感想とか聞けるから」

セブン「ふぅん・・・言われてみればナインが初めて魔法を使える瞬間に立ち会えた時は感動したな。
    ナインは魔法とか小難しいものが苦手だから中々上手く出来なかったんだが、初めて成功した時は自分の事のように嬉しかった」

ガーネット「それと同じよ。誰かの初めてに立ち会えるのってとっても貴重で大切な経験よ。
      あ、そろそろお店に行かなくちゃ。次に回す家は分かる?」

セブン「ああ、クラウドの家だな。ちゃんと行けるから大丈夫だ」

ガーネット「じゃあ、宜しくね」


タッタッタッ(ガーネットが小走りで立ち去る)


セブン「さてと、内容は・・・」

キング「何だそれは?」

セブン「ああ、キングか。回覧板だよ。さっきガーネットが持ってきてくれたんだ」
キング「回覧板?」
セブン「町内のイベントや連絡事項が載っているんだそうだ」
キング「ほう・・・ゴミの分別が変わるのか」
セブン「気をつけないとな」
キング「ああ―――ムッ!町内サボテンダーツアーだと!?参加するぞ!」
セブン「悪いがアンタだけで参加してくれ」
キング「エイトもサボテンダー愛好家だから二人で行ってくる」
セブン「好きにしてくれ。後は大した事は載ってないし、マザーには伝えるだけでいいな」
キング「俺が伝えておこう」
セブン「ああ、頼む。私はこれをクラウドの家に持って行く」
キング「俺も行っていいか?」
セブン「別にいいがマザーに回覧板の事を伝えるんじゃなかったのか?」
キング「マザーは今仕事中だ。夕飯時でも遅くはない。それに俺も回覧板を回してみたい」
セブン「じゃあ二人で行くか?私も回覧板なるものを回してみたいからな」
キング「なら、行くとしよう」











商店街近く


キング「クラウドへは連絡したのか?」
セブン「ああ、ついさっきな」
キング「そうか。連絡しておかないと階段を降ろしてもらえないからな」
セブン「いつまであの天空の一軒家にいるつもりなんだろうな」
キング「設定に飽きたら普通のアパートに四人で暮らすらしい」
セブン「自然に知らない内にしれっとその設定になっていそうだな」
キング「有り得る・・・ん?」
セブン「どうした?」
キング「ネロがいる」

ネロ「おや、貴方たちは・・・」

セブン「ここで何をしている」

ネロ「半額のキャベツと大根と白菜を買いに来たんですよ。ついでにお肉300グラムも、ね」

セブン「悪役台詞で何主婦発言してるんだ」
キング「今日はしゃぶしゃぶか?」

ネロ「ええ、そうですよ。締めはうどんです」

キング「チッ、やるな」
セブン「何を張り合っているんだ・・・」

ネロ「貴方たちはこれから買い物ですか?」

セブン「普通に回覧板を回しに行くだけだ」

ネロ「そうですか。無事に届けられるといいですね」

キング「どういう意味だ」

ネロ「この商店街を抜けた先では交通整理・工事・その他諸々の事情で道が塞がれています。
   だから容易くあの金髪のツンツン頭さんの所には辿り着けないでしょう。そう、簡単には、ね」

セブン「だからなんで悪役風に普通の忠告をするんだ・・・」
キング「たとえどんな障害が立ちはだかろうとも俺たちは必ずクラウドの家に回覧板を回しに行くだけだ」
セブン「そんな決意を固めた風に言わなくていいんだぞ、キング」

ネロ「では、健闘を祈りますよ」


シュワッ(ネロが闇に消える)


キング「・・・用心してクラウドたちの天空の一軒家に行くぞ」
セブン「そうだな」(←面倒になってツッコむをやめた)
キング「障害が立ちはだかるとは・・・おのれディープグラウンドめ!」
セブン「いや、関係ないと思うぞ。ていうか何でわざわざ地上に買い物に来てるんだ?」
キング「ディープグラウンドでは今物価が高騰しているらしい。それで地上に来てるとセルフィから聞いたな」
セブン「私の中でのディープグラウンドの認識がどんどん緩いものになっていくんだが」
キング「ん?おい、アレを見ろ」
セブン「今度は何だ」

ヴァイス「ん?何だ」

セブン「純白の帝王・ヴァイスか」
キング「こんな所で何をしている」

ヴァイス「ユフィにちょっかいをかけに行く途中だ」

セブン「いっそ清々しい程に言い切ったな」

ヴァイス「それで?どうするつもりだ?」

セブン「止める以外に私達が選択をするとでも?」

ヴァイス「お前達に止められるのか?この俺を」

キング「二人で止められなければ増援を呼べばいい」


ポチッ(スマホであるボタンをタップする)


ヴァイス「・・・おい、何を押した」

キング「緊急招集ボタン〜個人VER〜セフィロスオーナーのオマケ付きだ」

ヴァイス「またか!!!」


シュッ!(ヴァイスが俊足で逃げる)

シュッ!(セフィロスオーナーがヴァイスを追いかける)


キング「純白の帝王と銀色の悪魔の鬼ごっこか」
セブン「流石だ、キング。迷いなくボタンを押すなんてな」
キング「面倒事はさっとさと済ませた方が楽だからな」
セブン「同感だ」
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