クリスタル横丁

□船上のバイオワルツ後編(全力ギャグ)
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船内


エルオーネ「シンク!!」

シンク「あ!エルオーネだ〜!」

エルオーネ「二人共大丈夫?怪我はなかった?」
シンク「全然平気だよ〜。エルオーネこそ大丈夫だった〜?」
エルオーネ「うん!オーナーと一緒だったから大丈夫だったよ」
トレイ「無事で何よりです。私達は貴女たちを探している間に乗客全員の避難誘導をしていました。後は私達だけです」
シンク「でもね、私達はこの船でゾンビが発生した原因を探らなくちゃいけないんだ〜」
トレイ「ですからエルオーネとセフィロスオーナーは先にお逃げ下さい。今なら救命ボートに乗れる筈です」
エルオーネ「ううん、私も残る」
トレイ「え?何故―――」
エルオーネ「だってカプコ◯製の救命ボートだったら大変じゃない」
トレイ「一体何を言ってるんですか貴女は!!ていうか乗客の皆さんのフラグを建てないで下さい!!」
シンク「大丈夫だよ〜。だって私達はスクエ◯出身だし、あの船だって知らない間に勝手に港に着いて勝手に無事でいるよ〜」
トレイ「おやめなさいシンク!軽々しく会社の名前を口にするんじゃありません!!」
エルオーネ「ところでオーナーはどうします?残りますか?」
セフィロスオーナー「面白そうだからな」
シンク「それじゃー四人で探検にしゅっぱーつ!」
トレイ「遊びに行くんじゃありませんからね、シンク」
シンク「とりあえずどこから行くー?」
エルオーネ「船長の部屋に行ってみない?こういうのが起きた時って大体船長が惨殺されてるし、何か重要な手掛かりとか残ってるし」
トレイ「さらっと不吉な事を言いますね、貴女・・・」










そんな訳で船長室


シンク「あ!魔法陣発見!!」
トレイ「犯人は船長だった!?」
セフィロスオーナー「いや、違うな。元凶ではあるがゾンビを呼び出そうとした訳ではなさそうだ」
エルオーネ「本当だ。天使呼び出そうとしてたみたい」
トレイ「船長は何をしようとしてたんでしょうか。何かの宗教の狂信者で天使降臨により世界を―――」
シンク「いや〜、ただの中二病拗らせたおじさんみたいだよ〜」
エルオーネ「わぁ、日記が中二単語のオンパーレドだ。読んでるこっちが恥ずかしくなるやつ」
トレイ「その辺にしておあげなさい。船長の方、一応生きてるんですから」
エルオーネ「えっ、それ他のお客さんと一緒にしておくの不味くない?」
シンク「大丈夫じゃない?救命ボート漕ぐ時に『この償いは私がする!』って高らかに叫んでたし」
トレイ「あぁ、そういえば叫んでましたね・・・」
シンク「後スクエ◯製のボートだからへーきへーき」
トレイ「だからおやめなさい!」

セフィロスオーナー「一般人の割には本物の魔道書を持っていたようだな」
エルオーネ「あ、やっぱりその本って本物の魔法の本なんですか?」
セフィロスオーナー「召喚獣より更に下の生命体を召喚する為の本だがな」
シンク「あ、この羊の小悪魔とか無害って書いてあるし可愛いから召喚してみよーっと」


サラサラ(適当に魔法のスペルを書く)


トレイ「お待ちなさいシンク!不用意な事をしては―――」

悪魔「アアアアアア!!!!」

シンク「あれれー?なんか間違っちゃった」
トレイ「てへっ☆的な顔で何言ってるんですか!メチャクチャマズイですよ!?」
エルオーネ「大丈夫よ、こんなのは魔法陣に描いてあるスペルを適当に消せば大体大丈夫って神父のおじいちゃんが言ってたんだから」


ゴシゴシ(適当に消してる)


トレイ「ちょっとぉおおお!!だから不用意な事をしたら―――」

悪魔B「我を呼び覚ますの誰だ」

トレイ「ホラぁあああああ!!」

シンク「別に呼んでないから帰って?」
エルオーネ「ごめんね、間違えちゃった」

悪魔B「間違えただと!?ふざけるなよ貴様ら!我を呼び出した以上は生贄を寄越せ!」

シンク「昆布あげるから許して?」

悪魔B「ふざけるな!!」

エルオーネ「じゃあ鰹節」

悪魔B「変わらんわ!!我が望むは純潔の乙女の身体。丁度貴様ら二人のような女だ。どれ、魔界に連れ帰って我が調教を―――」


ゴッ!!(セフィロスオーナーとトレイの拳が悪魔の顔にめり込む)


トレイ「私、初めて悪魔を素手で殴りました」
セフィロスオーナー「私は何回もあるがな」
トレイ「一体何をして・・・いや、聞かないでおきましょう」

エルオーネ「とりあえず魔法陣全消ししちゃおっか」
シンク「そだね〜」

悪魔B「や、やめろー!!雑な消され方をしたら帰りが!帰りが!!アアアアアア!!!」

トレイ(何だか悪い事をしましたね・・・)

シンク「とりあえずこれでゾンビはもう出てこないかな?」
エルオーネ「かな?まぁでも、最終手段としてオーナーにこの船を沈めてもらうっていう手もあるし」
トレイ「もっと穏やかな最終手段はないんですか・・・」
セフィロスオーナー「お前なんぞに指示されて発動する程安くはない」
エルオーネ「いっつもスコールたちには落とす癖に」
セフィロスオーナー「アイツらが不愉快なのが悪い」
エルオーネ「むっ!スコールたちは不愉快なんかじゃ―――」


ぐにゃん(エルオーネの足元が粘土を踏んだように歪む)


エルオーネ「きゃっ!?」


ガシッ(それをセフィロスオーナーが受け止める)


セフィロスオーナー「何をしている」
エルオーネ「だって床が急に・・・!?」
シンク「あれれ〜?なんか、船の中の様子おかしくない?」
トレイ「何だか生き物の体内にいる感覚がしますね」
セフィロスオーナー「どうやらこの船自体に魔界の悪魔が乗り憑ったようだな。
          その影響で船が悪魔の体に変貌し、私達は今悪魔の体内にいる状態となっている」
トレイ「しかし、魔法陣は消した筈では?」
セフィロスオーナー「ここにある」


バッ(壁紙を剥がしてそこに隠されていた魔法陣を見せる)


トレイ「あの船長、一回ぶん殴ってから逃すべきでしたね」
シンク「とりあえずこれもちゃっちゃと壊して悪魔に帰ってもらおうよ〜」
セフィロスオーナー「この魔方陣は一度発動したら効力を失うタイプのものだ。
          よってこの魔方陣を破壊した所でこの船に取り憑いた悪魔は消えはしない」
エルオーネ「じゃあ他に方法はないんですか?」
セフィロスオーナー「船と悪魔は一心同体となっている。船を壊せば悪魔は死ぬ」
エルオーネ「じゃあ・・・!」
セフィロスオーナー「だがそれでは面白くない。よってこのまま放置して都市伝説にする」
トレイ「いやいやいやいや!!何を言ってるんですか貴方は!!死者が出たらどうするんですか!?」
セフィロスオーナー「噂に踊らされて死んだ奴が悪い」
トレイ「いやどう考えても放置した私達が100%悪いですからね!!?」
シンク「ねぇねぇ、とりあえずここから出ようよ〜。なんか気味悪〜い」
トレイ「そ、それもそうですね。一旦ここから脱出して船の事はそれから考えるとしましょう」
シンク「そうと決まったら適当な部屋の窓を壊して脱出しちゃお〜!」


ガチャ(適当な部屋の扉を開ける)


シンク「・・・あれ?」
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