クリスタル横丁

□チョコ・チョコ・チョコ(ギャグに全フリ)
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ジタン「ったく、今日はバレンタインだってのに」
ティーダ「俺たちもつくづくついてないッスね」
エース「ああ、最悪だ」
スコール「俺たちの大切な日を邪魔する奴らは消すまでだ」
クラウド「そういう訳だ。どのツラ下げて俺たちの前にいる、ヴァイス、ネロ」

ヴァイス「そう警戒するな」
ネロ「今日は面白いものを見せに来たんですよ」

ジタン「別に見たくないから今すぐ帰れ」

ネロ「まぁそう言わずに。さぁ姿を現してやりなさい!ダークモーグリよ!!」

ダークモーグリ「グボォ!!」

ティーダ「うわぶっさいくな鳴き声」

ダークモーグリ「不細工な鳴き声とは失礼グボォ!張り倒されたいグボか!?」

ジタン「しかも可愛くねぇ」
エース「エーコが見たら泣きそうだな」

ダークモーグリ「えぇい!黙れグボォ!お前らの呪いを永遠に解いてやらないグボよ!?」

スコール「呪い?」
クラウド「俺たちに何をした?」

ダークモーグリ「グッボッボッ、お前たちだけじゃないグボ。今日一日この町は俺のかけた呪いにかかっているグボォ」

ジタン「何の呪いだ!?」

ダークモーグリ「好きな女の子からチョコを受け取ると破局してしまうという呪いグボォ!!」

五人「な、なんだってーーー!!?」

ジタン「ふざけんな!!」
ティーダ「今すぐその呪いを解きやがれってんだ!!」

ダークモーグリ「解いてやらないグボォ!お前らも俺と同じチョコを貰えない苦しみを味わうグボ!」

クラウド「随分しょーもねー理由で呪いをかけやがったな!!?」
スコール「おい、なんだってこんな面倒な奴を連れて来たんだ」

ネロ「いやね、なんか今朝突然現れたんですよ。それでなんか色々面倒だったから貴方たちにバトンタッチしようと思って」

クラウド「お前らに面倒なもんをこっちに押し付けんな!!」
エース「だが意外だな、お前たちの事だからすぐにでも殺すものだと思っていたが」

ネロ「動物愛護団体に訴えられるじゃないですか!!」

クラウド「どこを気にしてんだよ!!動物愛護団体気にするくらいなら人権委員会も気にしろ!!」

ネロ「世界殺戮計画を実行しようとした時に動物愛護団体が押しかけて来て詳細説明を求められたら赤っ恥じゃないですか!!」

クラウド「するのかよ詳細説明!?」
スコール「俺が言うべき事じゃないが、斬り捨てるという選択はお前たちにはないのか」

ネロ「図星を突かれて斬り捨てたと部下にバカにされるじゃないですか!!」

クラウド「もうツヴィエートやめちまえ!!!」

ネロ「あっ」
ヴァイス「ネロ」
ネロ「はい、兄さん」


シュワっ(ネロとヴァイスが闇に消える)


エース「ん?どうしたんだ?」
ティーダ「腹でも痛くなったんじゃ―――」

セフィロスオーナー「騒がしいな」

五人「グホッ!!!」


バタッ(ストレスによる腹痛から地に平伏す)


セフィロスオーナー「何の騒ぎだ」

ジタン「ダークモーグリなるものが現れました、閣下」
ティーダ「あのモーグリはこの町に住む奴ら全員に呪いを掛けたらしいッス閣下」
エース「その呪いというのが女性からチョコを受け取るとその女性と破局になるという呪いですカカオ」
クラウド「おい、カカオになってんぞ」
スコール「それであのダークモーグリをどうするか話していた所だ、かかあ天下」
クラウド「もはや閣下でもなんでもねーだろ!!」
ティーダ「ほら次、クラウドの番」
クラウド「はっ!?俺!?」
ジタン「俺たち全員が言ったんだからクラウドも言えよ」
クラウド「なんで俺も言わなくちゃならないんだ!」
スコール「言え」
エース「言うんだ、クラウド!」
クラウド「お前らの謎の圧力はなんなんだよ!ったく・・・お耳汚し申し訳ございません、オカカ」


グサッ(正宗で刺される)

バタッ


クラウド「なぜ・・・俺だけ・・・」
ジタン「捻りがなかったな〜」
ティーダ「オカカはセンスないッスね〜」
クラウド「うるせぇ」

セフィロスオーナー「女からチョコを受け取ると破局するのか?」

ダークモーグリ「もっと厳密に言うと付き合っているいないに関わらずその女の子との縁が切れるグボ」

クラウド「せこっ」
スコール「徹底して女からチョコを貰わせないつもりらしいな」
ティーダ「そんな暗い事してるからチョコ貰えないンスよ」
ジタン「そんなジメジメした性格じゃ女の子は寄って来ないぜ?」
エース「同性からも嫌われるぞ」

ダークモーグリ「黙るグボ!俺の心の傷を抉るなグボ!!」

クラウド「図星だったか」


エルオーネ「あ、オーナーだ!」


ジタン「お、エルオーネだ」
エース「あの手に持ってるのは・・・」
スコール「チョコ・・・か?」

エルオーネ「これから教会に行く予定だったんですけど丁度良かった!今年もチョコ作ったので食べて下さい」

スコール「ダメだ姉さん!それを食べさせると姉さんとオーナーは―――」

セフィロスオーナー「微妙だな(もぐもぐ)」

クラウド「食うの早っ!!」

ダークモーグリ「かかったグボ!これでそこの二人は終わりグボ!!」

スコール「遅かったか・・・」

エルオーネ「え?え?どうしたの?」
セフィロスオーナー「そこにいる不細工なモーグリの呪いで女からチョコを受け取ると縁が切れるらしい」
エルオーネ「ええっ!?じゃあ私とオーナーの縁は・・・!」
セフィロスオーナー「切れるな」
エルオーネ「そんな・・・そんな・・・」


・・・・・・

・・・・・・


エルオーネ「・・・・・・で?」
セフィロスオーナー「何も起きないな」

ダークモーグリ「そ、そんな筈はないグボ!!」

スコール「姉さん、オーナーに対して何か思う事は?」

エルオーネ「特にないよ」

ティーダ「じゃあ『顔も見たくない!』とか『二度とその面を見せるな!』とかは?」
クラウド「それどっちも似たような意味じゃないか?」

エルオーネ「う〜ん、別に?強いて言うならチョコの感想が『微妙』っていうのが気になるくらい、かな?
      あ、後知ってて私との縁を切ろうとしたこと!」
セフィロスオーナー「お前との縁が切れた所でどうという事はないから実験として利用した」
エルオーネ「ひどーい!」
セフィロスオーナー「それよりお前の今年のチョコは甘いのか苦いのかよく分からん味だ」
エルオーネ「あらら、味見した時はそうでもなかった筈なのに・・・すいません、これは私が責任持って―――」
セフィロスオーナー「そんな事をしている暇があったらコーヒーを淹れろ。その間にこれは消化しておいてやろう」
エルオーネ「・・・!はい!」


スタスタスタ・・・(セフィロスオーナーとエルオーネが立ち去る)


ダークモーグリ「・・・」

クラウド「おい」

ダークモーグリ「・・・」

クラウド「縁が切れるんじゃなかったのか?」

ダークモーグリ「・・・・・・個人差があるグボ・・・」

クラウド「個人差!?ダッセー呪いだな!!!」

ダークモーグリ「黙るグボ!呪いだって完璧じゃないグボ!!」

スコール「開き直ったな」
ジタン「アホくせ」
ティーダ「やってらんないッスね」
エース「こんな奴はほっといてクリスタルヘブンに行くとしよう」

ダークモーグリ「ちょ、ちょっと待つグボォ!!」

ネロ「ふぅ、あの男は行ったようですね」
ヴァイス「危ない所だったな」
ネロ「ええ、くわばらくわばら」


スコール(この二人でもセフィロスオーナーは怖いんだな)


クラウド「おい、早くそこのポンコツモーグリを連れて帰れ」

ネロ「嫌ですよ。僕と兄さんはこれから『マジカル☆ラジカル☆ともみ〜蒸発した父を求めて〜』を見るんですから」

ジタン「何だそれ!?」
ティーダ「すっげー気になる!!」

ヴァイス「ディープグラウンドでしか放送されていないアニメでな。
     他の女と浮気した挙げ句蒸発した父親に慰謝料を取り立てる為に母親に代わって娘が魔法使いとなって冒険する話だ」

クラウド「そんなドロドロ話、ディープグラウンドでしか放送出来ないわな!!」
エース「最終回がどうなるか気になる作品だな」
スコール「父親と和解なんていうエンディングを迎えたら興醒めだな」

ダークモーグリ「ちょ、ちょっと待つグボォ!もうちょっと力になって欲しいグボォ!」

ネロ「じゃあこれあげるから頑張って下さい」


ポイッ(茶色のモンスターのプリンを放り投げる)


ダークモーグリ「これは何グボ?」

ネロ「バレンタインテロ用に作った『チョコレートプリン』です。チョコレートを吸収して成長するモンスターです」

ジタン「字面だけだったら美味そうなのにな」

ネロ「貴方の呪いの力を注入すればより凶暴になるかと」
ヴァイス「ネロ、後二分で始まるぞ」
ネロ「あ、ではこれで」


シュワッ(ネロとヴァイスが再び闇に消える)


スコール「・・・何が起きると思う?」
クラウド「言わなくても分かってるだろ」
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