クリスタル横丁

□教会のお月見
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オンボロ教会


エルオーネ「お団子よーし、飲み物よーし!さて」


ポチッ

ガラガラガラ(天井から鉄の梯子が降りてくる)


エルオーネ「後はこれをバッグに入れて持って上がるだけ」
シンク「気合入ってるね〜。確かセフィロスオーナーと一緒にお月見するんだよね〜?」
エルオーネ「そうだよ」
シンク「こう言っちゃぁあれだけど、セフィロスオーナー来るの?」
エルオーネ「『気が向いたらな』なんて言ってたけど、きっと来てくれるよ。オーナー優しいから」
シンク「ふ〜ん。ところでその梯子、どこに繋がってるの?」
エルオーネ「屋根の上だよ。出るとすぐに平らな部分があって、そこに座れるの。
      こういう時の為によく命綱を繋いで掃除してるの。もう三回はお世話になってるかな」
シンク「へ〜。結構危ない橋ならぬ屋根を渡ってるね〜。危ないから今度掃除する時は私を呼んで。手伝うよ〜」
エルオーネ「ありがとう。その時は宜しくね」
シンク「ていうか、今から屋根の上に一人で登るんだよね?」
エルオーネ「そうだけど?」
シンク「危ないからダメ〜」
エルオーネ「でも座るだけだから大丈夫だよ」
シンク「それでもダメ〜。やめないならぎゅ〜って抱きついて離れないから〜」

ぎゅ〜

エルオーネ「フフ、じゃあ解放してもらう為にもオーナーが来るまで中で待ってる」
シンク「絶対だよ〜?」
エルオーネ「うん、約束」











夜――シンクたちの家のベランダ――


シンク「なんて事があってね〜」
ケイト「へ〜。じゃあエルオーネは今も教会でセフィロスオーナーを待ってるんだ?」
シンク「そーなの〜」
トレイ「相変わらず大胆で度胸がありますね」
ナイン「とりあえず望遠鏡で見た所、まだ教会の屋根の上には登ってないみたいだぜコラァ」
シンク「やっぱりか〜」
ナイン「肝心のオーナーの野郎はまだ会社にいるみたいだなオイ」
クイーン「ナイン、望遠鏡で覗くなんてみっともないですよ。それにセフィロスオーナーを覗いたりなんかしたら―――」

バリバリバリッ!(ナインにサンダガが落ちる)

ナイン「ぐはぁっ!!!」

バタッ

クイーン「ほら見なさい」
エース「的確に当ててきたな」
エイト「やはり敵に回すべきではないな」
デュース「大丈夫ですか、ナインさん?」
サイス「ほっとけ。その内勝手に起きるだろ」
シンク「・・・」
ジャック「どーしたのシンク?」
シンク「う〜ん、ちょっとね〜」
セブン「エルオーネの事が気になるんだろ?」
シンク「うん。よく分かったね〜」
セブン「顔に書いてあるぞ。でも心配しなくても大丈夫だと思うがな」
キング「行かせてやれ。でないと満足しないだろ」
セブン「それもそうだな」
シンク「じゃあヘイスト使ってちゃちゃっと行ってくるね〜」
トレイ「夜も遅いですし、私も行きましょう」
シンク「いいよいいよ〜。ホントすぐ行って帰って来るだけだし。トレイはみんなとお月見楽しんでて〜」
トレイ「しかし・・・」
シンク「じゃ、行ってきま〜す」

バタン

トレイ「あ・・・」
エイト「シンクは強いし、大丈夫だろ」
トレイ「・・・それもそうですね」











カジノ・リユニオン――エントランス――


シンク「すいませ〜ん」

受付嬢「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でございますか?」

シンク「え〜っと、アポはないけどセフィロスオーナーに会いたいんだけど・・・ダメ?」

受付嬢「そうですね、少し難しいですね。オーナーは多忙でいらっしゃいますから」

シンク「ん〜・・・じゃあ、エルオーネの事で話があるって伝えてみてくれない?あ、私シンクね」

受付嬢「かしこまりました」


Prrrrrrrrrr


受付嬢「お疲れ様です、オーナー。シンク様という女性がエルオーネ様の事でお話があるという事でお見えになっております。
    ・・・はい・・・はい・・・かしこまりました。失礼致します」


ガチャン


受付嬢「一分ならお話を聞いてあげないでもない、との事です」

シンク「やった〜。一分でも御の字だね〜」

受付嬢「係の者がご案内致しますので今しばらくお待ち下さい」

シンク「はいは〜い」



そして・・・



セフィロスオーナー「何の用だ」

シンク「エルオーネが教会で待ってるよ〜。セフィロスオーナーとお月見するんだって言って」

セフィロスオーナー「そうか帰れ時間だ」

シンク「あ、新しい三拍子」











再びシンクたちの家


シンク「こんな感じかな〜」
ケイト「へ〜。じゃあ収穫は新しい三拍子だけだったんだ?」
トレイ「その三拍子は収穫と呼ぶべきなのでしょうか」
デュース「でも、このままエルオーネさんが一人きりだったら可哀想ですね」
ナイン「そーでもないみたいだぜぇ」
エース「え?まさか・・・」
ナイン「おうよ!オーナーの野郎、今エルオーネと一緒に教会の屋根の上にいるぜコラァ!」

バリバリバリッ!

ナイン「おぎゃぁ!!!」

バタッ

クイーン「だからやめなさいって言ったのに」
サイス「相変わらず懲りねーな」
セブン「放っておけ」
シンク「良かったね〜、エルオーネ」
キング「お前がセフィロスオーナーに言ってきたお陰だな」
シンク「う〜ん、それはそうなんだけどちょっと違うかな〜」
ジャック「え?何で?」
シンク「セフィロスオーナー、元々エルオーネの為に頑張って仕事片付けてたけど
    私が言いに行ったからもっと頑張って片付けたって感じかな〜」


バリバリバリッ!!


ナイン「おぎゃぁああ!!」
サイス「あ、とばっちり食らった」
トレイ「シンク、これ以上はナインが可哀想なのでセフィロスオーナーに関する事はもう何も言わないで下さい」
シンク「は〜い」











END




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