刀剣乱舞二次創作

□仕事
1ページ/1ページ

「ん・・・んぅ・・・」

カーテンから零れる朝陽で鶴丸は目を覚ました。ぼんやりとした思考の中、何故か痛む腰で自分が何をされたかを思い出した。

「・・・っ!」

ガバッと勢いよく起きると、腰だけではなく身体中が痛くて思わず呻いてしまった。

「朝から元気なことだな」

両手にカップを持って部屋に現れたのは、三日月宗近と名乗る男だ。鶴丸は昨夜、この男と交わったのだ。

「アンタ・・・昨日は随分好き勝手してくれたな」

こういった仕事をしているため、多少慣れているとはいえ加減をしてもらわねば身体への負担がかなり大きいのだ。

「第一、俺はネコ側はしたことがないって言っただろう?」
「そういえば、そんなことも言っていたな・・・しかし昨夜は随分気持ちよさそうに鳴いておったではないか。タチより素質はあると思うがな」

憤慨して文句を言うが、ひらりとかわされた挙句追撃されてしまった。気持ちよかったことは事実であるし、お陰で声が掠れているため批判はできなかった。

「と、とにかく!仕事は終わった、帰らせてもらう」
「あぁ・・・あいわかった。しかしな鶴丸、これくらいは飲んでゆけ。声が酷いぞ」
「誰のせいだと思ってるんだ!」

しかしせっかく淹れてもらったので、ぐいと一気に飲み干して三日月の部屋を後にした。
パタン、と扉が閉じた先を少し寂しそうに見つめる三日月だけが、部屋に残った・・・。

外はすっかり寒くなり、冬であることを感じさせた。慌てて飛び出てきたので三日月の家にコートを忘れてしまったが、正直戻りたくはなかった。昨夜の行為を思い出すだけで、顔が赤くなり、胸が高鳴る。
(やばい・・・もしや、これは)
客に惚れてはいけない。そんなこと、分かっている。でも・・・この感情は、どうしたら良いのだろうか。わからず、もんもんとしたまま鶴丸は次の客の元へ向かった。


「っあ・・・あっあん・・・んあぁぁ」

今回の相手も、タチであった。体を揺さぶられながら、鶴丸はやはり三日月の顔を思い浮かべてしまった。それが客にはほかごとを考えていると捉えられてしまった。

「他ごと考えてる暇あるなら、もっと喘げよ・・・っと!」
「ふぁっ・・・あぁぁぁ!」

やはり俺には、ネコの素質があるのだろうか。昨日の今日でこのざまだ、彼だけではないとしたらそうなのだろう。・・・しかし、違う。もっと奥に・・・深くに欲しい。しかし、この客のものではそこまで届かないようだった。行為が終わったあとは風呂場ですぐに精液を掻き出した。家に帰ろうと男の家を出ると、冷たい風が肌を撫で、ふるりと震えた。
(・・・やはり、コートを取りに行こうか)
そこにもうコートが無かったとしても。会いに行く言い訳が欲しいだけだった
三日月の家は、駅前を通ってすぐそこの高級マンションの1室にある。少しだけドキドキとしつつインターフォンに手を伸ばした。すると、

「・・・鶴丸?」

仕事帰りなのか、スーツの上からコートをはおり、鞄を抱えた状態で不思議そうにこちらを見つめる三日月に鉢合わせた。

「どうかしたのか?」
「あっいや・・・その、前に忘れていったコートをだな・・・」

マフラーで口元を隠していることもあり、もごもごと独り言のように呟いた

「・・・あぁ、あのコートか。中にある。上がっていくといい」
「い・・・いいのか?」
「構わん。それに、この前無理をさせた詫びも出来ていないしな」

前のことを気にしていたのか、三日月はバツが悪そうに視線を逸らした。
中に招かれ、リビングにある椅子に座って待っていると、コートと小さな箱を持って三日月がこちらに来た。

「その箱は?」
「ケーキだ。お前の口に合うかはわからんが」
「いや、甘いものは好きだ。ありがとう」
「なぁ、鶴丸・・・今日は空いているか?」
「え・・・」
急な誘いに、鶴丸は戸惑った。
「無いが・・・どうかしたのか?」
「・・・」

しばし押し黙った三日月は、鶴丸の手をひいてベットに押し倒した。

「わっ・・・ちょっ、と・・・三日月!」

三日月は覆い被さるように鶴丸を抱きしめると、離すまいと力を入れた

「鶴丸・・・俺は、お前が好きだ。」
「・・・っ!」

急な展開に、頭がついていかない。好きだ、と言われたことは理解できたが、その後どうしたら良いかなどということに関しては全く思考がついていってくれないのだ。

「わ、わかった・・・!わかったから、離してくれ・・・///」

赤面して、そう懇願した。しばらくすると、渋々と言った感じで三日月が身体を離した

「そ、その・・・おれも、あんたのことが好きなんだ・・・」
「・・・!それは、真か」

絞り出すように言った言葉は三日月に届いたらしく、美しい顔に極上の笑顔を浮かべていた

「嬉しいなぁ・・・なぁ鶴丸、このまままぐわってもよいか?」
「き、君は本当に急だなぁ!?まさか、体目当てじゃないだろうな!?」
「そんな分けないだろう。・・・安心しろ、今回は優しくする。寝かさんぞ、鶴」
瞳に餌を狙う獣のような鋭い光を宿しながら、鶴丸の唇に接吻をした

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ