刀剣乱舞二次創作

□雪椿
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「はぁ・・・」
息を吐けば、真白い息がふわっと現れて消える。人の体というのは、驚きがいっぱいで実に面白い。が、寒さや暑さに体が耐えられないという難点がある。今が、それだ。内番服は戦闘服に比べて身軽なため、布が薄いのだ。しかし仕事を放り出すわけにもいかないため、今必死に我慢しているのだ。
「大丈夫か、鶴丸」
縁側から三日月が声をかけてきた
「大丈夫なように見えるかい?」
「いいや」
いつものように微笑みながら佇む彼は、白い雪の中ではよく目立った
「鶴丸、唇が青いぞ」
「なに!?それは本当か」
鏡はないか!?と表情をキラキラさせて三日月のそばに来た鶴丸を、不意に三日月が抱きしめた。
「わっ・・・と、な、なんだ//」
「そのような格好では寒かろう?少し、休憩せんか」
「だ、大丈夫だ・・・離せ!」
いつ誰が通るかわからない縁側でこんなことをされては、たまったものではない。両腕で三日月の胸を押し返すが、それよりも強い力で抱きしめられた
「ちょっ・・・」
「・・・風を引いてしまう。せめて、何か羽織れ」
心配そうに目を細めた。そんな顔をされたら、断れないことを三日月は知っている。知っていて、やっているのだ。
「わかった、わかったから・・・」
その言葉でやっと三日月は鶴丸を離した。満足そうに微笑むと、こう言った
「おぉ、唇が紅色になったな。まるで、雪椿のようだ」
それだけを言うと、自室に戻ってしまった。
ふと、先程三日月がいた場所を見ると、メモが置いてあった。
『茶を用意しておく、後で来い』
「口で言えばいいのにな・・・」
ははっと笑う鶴丸は、楽しそうだった・・・とすべてを見ていた秋田は語った

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