遠き夜空に夢は落ちて

□序章
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もう、何も失いたくない。

誰も、傷付いて欲しくない。

(うつつ)に、夢に、私は彷徨い続けている。其処は暗闇。小さな星の光が浮かんでは消されてゆく、暗闇。

その星達を一つでも掴み取りたくて。

その星達を一つでも救いたくて。

私の願いはただ、それだけ。

貴方達の側に、居たいだけ。

私の願いは・・・ただ・・・


「殺せ」


違う、私はそんな事、


「俺達の、怒りを」

「私達の、怒りを」


お願い、止めて。


「殺せ。奴らを、許すな」


嫌だ、その暗闇に、呑み込まないで。私は・・・


「殺せ、殺せ」

「殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!」


私は!



異能力「織女星(たなばたつめ)彷徨(さまよ)いの(こく)』」








また、だ・・・



また誰かを・・・





また誰かを傷つけてしまう。
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