短編

□大事にしたいんだよ、だから
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本番なし・誘い受的ヒロイン




「どんなに愛しくても、君が卒業するまで手は出さない」




初めて私たちの想いが通じたとき、まるで真面目そのものであるかのような貴方はそう言った。

それ故、私たちは会っても彼の部屋でお茶しながら世間話や学問の話をしたり(就寝時間前には必ず寮に送り届けてくれる)、人目を忍んで手を繋いでみたり、キスをしたことも、あるわ。


そんなお飯事みたいなデートを重ねる度に物足りなくて、もどかしくて、…女の子なのに、こんな気持ち、変かな。リーマスは何とも思ってないのかしら。

下手したらちょっと大きな娘みたいなもんだものね。私のこと、ちゃんと、女として…見てくれてる?



そんな日々積もる不安が心の中で限界まで膨らんで、つい





「………、ナナコ…?」


いつものように彼の部屋に訪れた私はお茶の準備をする彼の横に立ち、ストン、とローブを床に落とした。
その中身はいきなり下着姿。
上下白のレース、できるだけえっちで、リーマスが好きそうな物を選んだ。



「…………そんな格好で。風邪を引くよ」

ほんの少しの沈黙の後、リーマスは溜息をついて私の足元に広がるローブを拾おうとした。

やっぱり、やっぱりだめなんだ…

『リーマス』
声が震える。
その為か、彼はピタリと動きを止めて私を見た。

「…ナナコ、一体どうしちゃったんだい?今日の君は、なんだか変だよ。」
すぐに抱き締めてくれたその腕の中はとても暖かいけど、なんだか大人の余裕?みたいなものを見せつけられてるみたいで余計に惨めな気分になった。

拗ねたようにわざとリーマスの顔を見ない様にして黙っていると、「顔、見せて」と言いながら顎を持ち上げられ、強制的に合わせられた視線の先の、彼の瞳は、とても優しい。
けれど、その奥で、ちらちらと何かが燃えている様な気がした。


「…何で泣いてるの?」
『知らない、泣いてないもん。』


「いけない子だな。大人を誘惑するなんて」
『ふぇ?……んぅっ!!』


次の瞬間には、いつもの彼からは想像できないほど荒々しく唇を塞がれる。突然のことで心臓が飛び出てしまいそうになるも呼吸すら許されない。
食むように貪られ、熱い舌を捻じ込まれる。
腰を力強く引き寄せられて身動きがとれない中、わざと当てつける様に、主張している彼のモノが布越しに私の芽を刺激してきた。
『んん!!ふぅ、ぅうんっ』
望んでいた筈なのに、想像の遥か上を行く展開に少したじろいでしまう。

「っはぁ、…そんな、格好で、瞳を、潤ませる、なんて、」
顔中、耳、首筋、肩、とキスの雨が絶え間なく降ってきて、時折下から上へ舐め上げられたりもするので身体が勝手に反応する。

「反、則…、…、誰に…教わったのか、興味が、あるねっ」
『ふぁ、ぁんっ、べつ、に、ぁん…』
あまりに性急なので彼も気遣う余裕がないのか、たまに鋭い犬歯が肌を掠める。執拗に這い回る舌の動きといい、狂気染みた瞳といい、このまま本当に食べられてしまうのではないかと思い始めた頃、突然彼は私の両肩を掴んでバッと身体を離した。

「はぁ…、はぁ…、…だめ、だ。これ以上は、我慢が、効かなくなる…」
俯いたまま息を整えようと、大きく肩を上下させている。この期に及んで、まだあの約束を守ろうとしてくれているのか。

「…、君は、普段私がどれだけ自分の欲望と戦ってるか、知らないだろう」
『だ、だって、リーマスったら何もしてくれないから、わたし、』
「何もしないように、努力してるんだ…………君を、傷つけたくない」

漸く顔を上げた彼はつらそうに微笑んだ。
(乱れた髪や肌蹴たシャツが不謹慎にもたまらなくセクシーでどき、っとする)


私ったら、何てことをしてしまったんだろう!
彼の優しさに気づかず、子供みたいな焦燥に任せて…
『ごめん、なさい…』
リーマスはしゅん、と項垂れる私の頭を撫でてローブを拾いあげるとそっと肩に掛けてくれた。

「私こそ、君を不安にさせてしまってたみたいだね。すまなかった…卒業してからだ、いいかい?約束だよ?」
今度は壊れものを扱うみたいに、優しくローブの上から抱き締めてくれた。
リーマスの香りに包まれて……ああ、リーマス、だいすき…




『………それで…、これは、どうするの?』
「っ、?!」

未だ収まりきれずにズボンを押し上げているソコに、そっと手を添える。

『ねえ、いつもはどうしてるの?一人で?まさか、そういうお店に行ったりしてないでしょうね』
「…、君が心配しているようなことは、なに、も…っ、」
『じゃあ、一人でシてるのね?』

リーマスは悪戯が見つかってしまった子どもの様に、バツの悪い顔で頷く。
私の中で、言いようのない興奮がムクムクと大きくなった。初めて触る、男のソレの所為かもしれない。気づいたら撫でる様に擦っていた。

「…っ、こ、ら」
身体は離されるも、その隙に私は無意識のまま杖を出す。
『インカーセラス、縛れ』
杖先から出た縄が彼の手を後ろにして縛った。

「ナナコっ、なにを…!」
そのまま彼を近くのソファーに座らせて脚の間に割って滑りこむ。
『手伝うくらい、いいでしょ?私だってもう18なの。子供扱いしないで』
容赦なくベルトを外し、ファスナーを下ろして布の中から反り返ったモノを取り出した。
外気にさらされたそれがビクン、と跳ねる。あまりの大きさにごくりと唾を呑んだ。

「…まいったな。君を、甘く見ていたようだ」

観念した、とでも云うように背凭れに沈む彼にはもう抵抗の意思はない。代わりに、また瞳の奥に妖しい光を宿していた。



ぴちゃ、くちゅ、くちゅ…
たどたどしい舌遣いに、彼はくすりと微笑んでこちらを見つめる。きっとまた私を子供扱いしてるんだわ。
むす、っと睨んでみるものの逆効果なようで、彼は恍惚とした表情でちろりと舌舐めずりをした。
攻めてるのは私の筈なのに、ゾクリとさせられてしまう。

「…、そのまま、裏側を、根元から先へ舐めてごらん」
言われた通りにすれば、彼は小さなうめき声をあげる。
「っ、…そう、上手だよ。」
優しく微笑む彼が、もっと乱れる姿を見てみたくなってついに全体を包むように先から咥え込む。大きすぎて全部入らないし、口が埋まっているから鼻呼吸をすればむせ返るほどの雄の匂いがくらくらさせた。

「あぁ…ナナコ……」
私の動きに合わせてリーマスも腰を突きだす。背凭れに頭を預けて、気持ち良さそうな様子の彼に嬉しくなった。
唾液と先走りの液体が混ざってじゅっ、じゅっと水音が次第に大きくなっていく。
『ふぅ、う、ん、んっ、』
「っ、くっ、ナナコっ、手を、ほどいてっ」
夢中でしゃぶり尽くしながらも床に転がる杖を掴んで振ると、彼は自由になり、そのまま私の頭を掴んで腰の速度を速めた。
『んんんっ、んぅ、ふ、っ!!!』
さっきよりも深く、彼のモノが私の喉奥をノックする度に鼻っ面が茂みに埋まる。もう、おかしくなりそう。

「あぁっ、だめ、だ、射精るっ、ナナコっ!」
彼が腰を引こうとするのを阻止してこれでもかと鼻を押し付ければ、喉の奥でドロリとした液体が噴射された。
「っ!、こら、はなし、なさい、飲むんじゃな『ごくん、………けほっ、げほ、』

目から生理的な涙を流しながら彼を解放すると、やってしまったという仕草で額に手を当てている。ふふ、ちょっとした優越感。

「…おいで。ごめん、気持ち悪かっただろう」
私を膝の上に座らせて、甘ったるいキス。
『はー、楽しかった!ね、リーマス、気持ちよかった?』

私の爆弾発言に驚いた様子の彼は目をパチクリさせて、困った様に笑った。


(とんでもない恋人だな。)



大事にしたいんだよ、だから


「ところで、寮からここまでその格好で来たのかい?」
『?ええ、そうよ』
ニコニコニコニコ(卒業したら覚悟してね?)

え、なに、なんか黒いんですけど!






本番ないのにながい!w
リーマスをもっと狼にするのが今後の課題です…
お粗末サマでしたm(_ _)m


titleは 3秒死 様より。




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