ロゼ ノワール

□The Dark Ages
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パーティーというのは、どうも好かない。
慣れていない所為もあるが。



ひとしきりの挨拶を済ませるとそれだけで気が滅入ってしまい、飲み物を片手に壁際へ寄った。




広間の扉は開け放たれ、涼やかな夏の夜の庭で開かれる、屋外パーティー。


テントやテーブルの上に幾つものランタンが飾られ

談笑しながら食事を楽しむ人たち、生演奏に併せて踊る人たちやなんかを幻想的に照らしていた。



手入れの行き届いた庭を一望すると、ホワイト種で統一されたアルストロメリアがその芳香を漂わせながら絢爛な空間づくりに一役買っている。




求めている姿は、見当たらなかった。










暫くは来客が庭へと流れてくる入口のあたりで待つことにしてみたが、それも程なくして諦める。


少し新鮮な空気を吸いたいと(ご婦人方の香水と花の香が混ざった上に熱気も重なりむせ返りそうだった)、喧騒から逃れるように庭の小道を奥へと進む。







パーティーの灯りや音楽が遠のいてきた頃、打って変わり冷たくシンとした空気が流れてくる。


屋敷を挟んで反対側の庭に出た様で、其処はマルフォイ家の小さな墓地であった。


装飾の施された白い墓石が並び、月明かりが優しく包む。そこだけを隔離する様にぐるりと囲んだ植木や垣根はやはり手入れが行き届いている様子で美しい。


中央に鎮座する十字架を模した石造りの噴水が、チョロチョロと静かな子守唄を奏でている様だった。



頬をかすめる冷たい風が心地よく、誘われるようにして足を進める。








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