神楽と神威の姉は真選組女隊士!?

□夜中に未成年がほっつき歩いてると変態が寄ってくる
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お団子を外して、おろした赤みがかったオレンジ色の髪。
真っ白なワンピースに黒いデニム製の上着。足元は黒で長めの靴下でオレンジ色の靴。
首元に兎のネックレスをつけ、左手にオレンジのブレスレット。


これまで狙われた者たちのの口調は少し大人目の服装だった。
それでもどこか子供らしさの残った色合いに神楽も満足気味だ。
彼女の武器である傘は、沖田が持つことになり、危険と判断した際には神楽へ投げ渡す予定だ。


服を選んだのは山崎。

「ジミーも結構やるアルな!」

と絶賛しながらくるくると何度も回って服装チェックをする。
それが終わるとスタスタ玄関まで歩いていく。
そこには非番の時の服装と同じ格好の沖田がいた。
狙われるスポットまで送ってくれるとのこと。

流石に独りで歩かせるのは気が引けたのだろう。
かと言ってパトーカーで連れて行くわけにも行かない。

「まぁ、頼むアル・・・」

「ぉう・・・」

ほかのメンバーは先に目的の場所で待機しているらしい。
何故か隣を歩く二人、全く逆の方向を向いて、ずっと何も喋らない。月明かりが優しく照らしてくる。

「無茶、すんじゃねぇぞ・・・」

「・・・分かってるアル」

しばらく歩いて、沖田はじゃ、ここまでなとひょこひょこと何処かへ消えていく。
一人になった神楽の心には少しだけ隙間ができそこから風が吹き抜けるようだった。
目をギュッと閉じて深呼吸し、ゆっくりと開く。そして、一歩ずつ足を運ぶ。

かなり長い通りだ、防犯カメラもなければ、街灯も少ない。狙うにはうってつけといった場所だ。

「(静かだな・・・ほんとにくるアルか?・・・)」

内心来なければいいのに・・・そのな弱気なことを思っていたぼーっと歩いていると前から見知らぬ男の人が歩いてくる。
そのまま通り過ぎようとした直前。
神楽はいきなり倒れ苦しそうに唸り声を上げる、それを見るなり男は神楽を抱え上げ、にやりと笑う。
とても不気味な笑みで、そしして言い放つ。

「この娘を返してて欲しけりゃ、あすの夕方マムシ工場跡地に来い」

男はタバコを咥えて火をつけようとする、それを神楽はすかさず、啜れ逝きそうな意識の中、大きく体を揺らし、ライターと咥え煙草を落とす。
それに舌打ちし、神楽の腹部を殴り気絶させる。

それを見るなり、隊士たちが飛びかかろうと身構え、銀時や新八が神楽の名を叫ぼうとした時だった。

「かぐr「神楽ァ!!」!?」

動いていたのは神凪だった。走り出した時には男の姿はどこにもなく、夜闇に消えていた。



仕方なく屯所に帰った面々、神凪はこの世が終ったといいそうな顔で天井を見つめていた。
なぜあの時、まっさきに神楽の名を呼んだのか聞きたかったが、そうそう聞ける状況ではなく。誰も口にしなかった。
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