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□愛×愛=永遠
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あ、死ぬなこれ。





駅の長い階段、その頂上から足を滑らせたとき、俺、イギリスはそう思った。


最近ちゃんと寝ていなかったとか、ちゃんと飯を食っていなかったとか、そう言えば全然あいつに会っていないなとか、抱かれてないなとか、足を滑らせた原因は数えだしたら止まらない。
イギリス国内は今慌ただしく、休める時間なんてないのだ。そこらへんは了承していてくれ、神様。


落ちている時間はとても長く感じる。死ぬ間際は今までの記憶が流れていくというが、歴史という長すぎる記憶はなかなか走馬灯のようには流れていってくれない。

国で不死身とはいっても、死ぬと思うことくらいはどの国でもあるだろう。思うくらい勝手だ。
実際、あぁなんか死にそうだな、と感じることは今までにでもしばしばあった。それは物理的な何かではなく国の景気などの問題だったが。





きっと俺は疲れていたんだ、そう思って俺は目を閉じた。落ちても消滅などしないだろうし、大丈夫だよな。
でも、どうだろう。怪我なんてしたら妖精たちや上司、あいつにも怒られるのだろうか。


考えても意味などないし、少しだけ眠くて、俺は自ら意識を手放した。






下にいた金髪の青年が、上を見上げ目を丸くしていたのが最後の記憶。
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