無口な君と解呪の旅

□トラペッタで、偶然的再会
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トラペッタ地方、トラペッタ

ここに移った、というよりは放浪癖のおかげで少し滞在してるだけだが随分と町の人に慕われているものだと自分でも思う。

「おぉヴィオラさん!これ持ってきな!」

「ヴィオラおねーさんあそぼー!」

とまあいつもこんな感じだけれど。

誰に自己紹介するわけではないが一応言っておくと、私はヴィオラです。

女であり、もとはトロデーン城の近衛隊長をしていた。

お暇をいただきたいと話してから早2年が経った。

王様や姫は元気にしているかなぁ、連絡とかしてないけど怒ってないかなぁとか思ったりしなくもない。

トラペッタは基本平和で、住人たちも優しい。

そんな町であった悲劇。

かの有名なマスターライラスの家が全焼、その中からライラスの亡骸が発見された。

今は活気を取り戻しているが、彼の死はとても重いものであった。

その日から見回りを一日中していて、息抜きに遊んだりしながらとかで毎日を過ごしていた。





夕方、町の中で何か噂立っていた。

「緑の魔物が、町の中にいる。」

ずっと見回りをしていたけれど、そんな奴いなかったのになぁ…。

なんか見覚えのある人たちがいたけど。

少しひ弱そうな女の人でしかも結構綺麗な服装した人が荷車引いてたきがするけど…あれはなんでや?

その荷車にちっちゃいおじさんがいた。

あれ、やっぱり見たことあるけどなぁ…

まいっかと酒場へ向かうと、

魔物が出たぞー!といろんな人たちが広場へ出て行った。

私は別にどうでもいいので、私が居候させてもらっている家の家主、ルイネロを探しに来たのだ。

「あーいましたいました。まったくお金もないのにまた飲んでるんですか?」

「ん?なんだヴィオラ。」

「なんだじゃないですよ。ほらほら帰りますよ〜。マスター、いつもごめんなさいね。」

そう言うとマスターは苦笑いをしながら、

「そう言うヴィオラこそ、毎日遅くまで見回りしてるんだから。たまには飲んでったら?」

いやでもお金ないし…と言うと今度は「奢りだ」って言われた。

「じゃあ甘えさせてもらって一杯だけ。」

町は魔物で大騒ぎなのになぁ。

そんなことを頭の片隅に置きつつ、お酒を一杯飲んだ。



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