予言の終わりに祝福を
□私は私の道を行く
1ページ/2ページ
ゼビオンへみんなが向かった翌日。
オレンカ王が何やら準備を始めていた。
「オレンカ王?」
「おぉそなたか。具合はどうだ?」
「もうほとんど大丈夫です。それより何をされているのですか?」
城の中もバタバタしていて、落ち着きがない。
「どうやらジャイワールがまた動き出したようでな。国境まで赴き、町への被害が出ないようにするのだ。」
もういくのか。意外と早いもんだな。
「あの、オレンカ王。」
「なんだ?」
「私も、連れて行ってください。」
そう言うと、オレンカ王は目を見開く。
そりゃ、一般人が突然戦場に連れてけって言ってるんだもんな。
「しかし、危険だぞ?いつ命を落とすかもわからぬのにそんなことは…。」
「そんなこと言ったら、ラゼルやテレシアやオルネーゼだってそうです。みんなも人、いつ死ぬかもわからない。なのに私だけここで引きこもってなんていられません。少しでも力になりたいんです!」
説得のような、強引なようなそんな言葉を放つと、オレンカ王は難しい顔をしたのち
「よかろう。だが、身を守るものくらいは持っておきなさい。」
と言い、ゴールドの入った袋を渡してきた。
いやいやいや、
「流石にお金は頂けませんって…!」
「これくらいは持って行きなさい。町で装備を整えるにはこれくらいなければな。」
「うっ…。」
お金の数え方わからないし…とか言えない。
「あ、あのですね、オレンカ王。私、このお金の数え方というのがわからないのです。記憶がなくて。」
ここで役立つ記憶喪失。
「そうだったな、では誰か手の空いてる者に共に行くよう頼んでおこう。」
「ありがとうございます。」
助かった…
「まいどー!」
そんなこんなでお付きの人に手伝ってもらいながら、武器とオーブを買うことができた。
「ありがとうございます、手伝ってくださって…。」
武器は何を使うか悩んでいたが、短剣にした。
重いものは移動の時邪魔だし、とはいえ使い慣れないものを使うわけにはいかないということで、手に馴染んだものを選んだ。
「いやいや、オレンカ王から直々に頼まれたことだ。断るわけにもいかんからな。それに困った時はお互い様だろう。」
と、お優しいお言葉を頂きました。
そして、オレンカ軍が町の門で待機している中に混ざった。
乗馬はそりゃできませんので、女兵士さんの馬に乗せていただくことに。
「少しの間ですが、よろしくお願いします。」
「えぇ、しっかりつかまっているのよ?」
「はい!」
さぁ!出発です!