Dream L
□ Postscript
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リヴァイ
「ん…」
○○○の膝の上で、目を覚ます。
○○○
「起きた?」
○○○の家のソファは寝心が良い。
工房のも悪く無いが、アパートのほうが広くて好きだ。
リヴァイ
「…どの位だ」
○○○
「ん、一時間くらい寝てたよ」
リヴァイ
「そうか…」
そう言って、リヴァイはまた目を瞑る。
うとうとと、まどろんだ。
明かりは殆ど消され、いくつかのランプが柔らかい光で揺らめいている。
ゆっくりと寝たことなど無い。
調査兵団に入ってからはなおさらだ。
忙しくもあるし、始終気を張っている。
兵士長という役割もあって、面倒ごとも多い。
リヴァイ
「…○○○」
もそり、と体を動かし、○○○の腹に顔を当て、腰を抱く。
○○○
「くすぐったいよ」
そう言っても、嫌がる様子が無いのが良い。
ここでは自分は、人類最強でもなければ、兵士でもない。
ただの、男。
○○○の幼い頃からの馴染みでしか無い。
他愛も無い話をし、くだらない事で笑う。
地下街の子供しか知らなかった昔の自分には、○○○の快活さがいつも眩しかった。
飢えも、暴力も、恐怖も、○○○からは微塵も感じなかった。
健やか、とはこういうものか、と思い知った。
○○○
「…何か飲む?」
リヴァイ
「ああ」
○○○を見上げる。
今まで生きてきた中で、唯一残っているもの。
唯一守れた物。
その瞳が、こちらを見て笑っている。
リヴァイ
「…!」
ぽすん、と頭を投げ出されて、少々不愉快だ。
○○○
「すぐ来るから、待ってて」
そう言って、○○○はリヴァイの頬にキスをすると、台所へと向かう。
リヴァイは目を閉じる。
○○○の気配を感じながら、また、まどろんだ。
end