Dream L

□ Postscript
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リッツ
「団長、こちらにはありませんでした」

ひゅ、と男が立体起動装置を使い、木から下りてきた。

エルヴィン
「そうか…」

エルヴィンは森の中に居た。

○○○が言っていた『倉庫』を探している。

ジョアン
「団長、こちらに来てください!」

そう呼ばれて、エルヴィンは飛んだ。




エルヴィン
「これは…」

地面に大きく穴が開いていた。

カイル
「団長、これを」

兵士が手渡して来たのは、一冊の仮綴じの本だった。

カイル
「穴の底にある、建物の中で見つけました。まだあります」

エルヴィン
「そうか」

エルヴィンはぺらりとそれを捲る。

壁の絵が、描かれていた。

○○○が言っていた場所は、本当に、あったのだ。

エルヴィン
「明日から調査と回収にかかろう。ミケはナイルから、地下街の通行証を取ってきてくれ」

ミケ
「分かった」

エルヴィン
「以上、解散。各自準備後、兵舎にて待機せよ!」

掛け声と共に、兵士たちは散らばってゆく。

ミケ
「お前はどうする?」

エルヴィン
「私は寄る所がある。夕食までには戻る」

ミケ
「…甘い匂いがする」

エルヴィン
「土産が潰れてしまったかな?」

エルヴィンはカバンを見る。

エルヴィン
(彼女の、予定を聞き出さなくては…)

ミケ
「クッキー…」

エルヴィン
「お前の分は無いぞ」

ミケ
「…」

エルヴィン
「…今度な」

ミケは黙って頷くと、森の外へと飛んでいった。

エルヴィンはため息を付く。

エルヴィン
「さて…」

急いで彼女の元へ向かおう。


彼女の予定を聞いて、


そして彼女がここへ来ないように足止めをしよう。


大切な時間を、一緒に過ごそう。


この仕事が終わったら、もう会えなくなるだろう。


エルヴィン
(…○○○)


粉々のクッキーのように、甘い気持ちを抱いて


エルヴィンは○○○の元へと向かった。



end
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