Dream L
□Days like this
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エルヴィン
「どうしたんだ?」
ドアを開けたエルヴィンの目に、理解しがたい光景が飛び込んでくる。
機械のレバーを下げるためだろうか。
○○○は足を床から上げ、一心にバーに体重を掛けている。
○○○
「ちょ、手伝って!」
エルヴィンは急いで、持ってきた食べ物をテーブルに置くと、○○○が押しているバーに手を掛ける。
エルヴィン
「っ!」
がこん、と音を立てて、バーが降りた。
○○○は大きくため息をついて、バーを降りた。
○○○
「ありがとう。助かったわ」
エルヴィン
「どういたしまして」
あれからと言うもの、エルヴィンは何かにつれ○○○の工房を訪れていた。
エルヴィン
「お昼を買ってきたんだけど」
○○○
「ありがとう。朝から何も食べてなくて」
エルヴィン
「お茶を入れる?」
エルヴィンはまるで、ここの住人のように迷い無く茶器を揃える。
○○○
「エルヴィン、やっぱり、こういうの…」
エルヴィン
「友人、としてなら構わないだろう?」
○○○
「…」
にっこり笑ってそう言われると、正直弱い。
○○○
(ごめんなさい、じゃなく、嫌いって言うべきだったかな…)
あの時、○○○はきちんとエルヴィンに断った。
はず、なのに。
○○○
「ね、団長って暇なの?」
コーヒーを差し出しながら、○○○は言う。
エルヴィン
「いや、そうでもないよ」
エルヴィンは椅子に腰掛け、ありがとう、とそれを受け取ると、口にする。
○○○
「昨日もここに来てたけど」
○○○も椅子に座り、テーブルの上にあるサンドイッチを手に取った。
ぱく、とサンドイッチを頬張る。
エルヴィン
「まあ、息抜きは必要だよ」
続いてエルヴィンも、パンを口に運ぶ。
○○○
「…部下が大変、ってことね」
エルヴィン
「ははは。それより、機械の調子が悪いようだね」
○○○
「ん…。古いからね」
エルヴィン
「一度をハンジをつれてくるよ。見てもらうといい」
○○○
「…うん。ありがとう」
エルヴィン
「ああ、ついでにその『倉庫』とやらに連れて行ったらどうかな」
○○○
「え?」
エルヴィン
「きっと喜ぶと思うよ」
○○○
「…そんな大した所じゃ無いわ」
エルヴィン
「そうかな」
○○○
「そうよ」
エルヴィン
「…その『倉庫』は、君の大事な場所なんだね」
○○○
「…そうね。沢山大事な思い出があるもの」
エルヴィン
「そうか…」
あの場所のことは、やっぱりエルヴィンに言えなかった。
他人にとってはただの廃墟でも、自分には大切な、大事な場所だから。
○○○
「…所で、今日の予定は?」
エルヴィン
「ここで、少し書類を片付けてもいいかな?」
なかなかリヴァイが来れない理由は、これかもしれない。
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