Dream L
□more and more...
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リヴァイ
「捕まってろ」
○○○
「ん」
そう言うと、彼はトリガーを引き、井戸の底から一気に上った。
○○○
「っ!」
勢いをつけて、ふわり、と井戸を抜け出した。
○○○
「凄いね…」
リヴァイ
「○○○、ここからどう行くんだ?」
彼は特に珍しくも無さそうに、トリガーをしまった。
井戸の周り。少し開けたこの空間は、家があった場所なのだろうか。
辺りは木々に囲まれており、ここが森の中だと分かる。
○○○
「うん、来て」
○○○は僅かに見える石の階段を上ってゆく。
少し行くと、馬車道に出た。
○○○
「このまま右に行くと、街に出る」
リヴァイ
「どのくらいかかる?」
○○○
「15分も歩けば、森を抜ける。そこから20分くらい行けば町が見える。あ、私はこっちね」
そう言って、○○○は左を指差した。
リヴァイ
「?」
○○○
「こっちに、工房があるの。10分も歩けば着くわ」
リヴァイ
「…」
○○○
「水車のついた小屋よ」
リヴァイ
「…○○○」
○○○
「あ、そうだ」
リヴァイ
「?」
○○○
「…あなたの、名前を教えて」
リヴァイ
「エルでいいだろ」
○○○
「名前知らなきゃ、探せない…」
あの時別れた後、何度も探したことを思い出す。
本当の名前を知らなかったから、誰かに尋ねることも出来なかった。
リヴァイ
「…もう探す必要は無えと思うが。リヴァイだ」
○○○
「リヴァイ。って…え?」
リヴァイ
「苗字は知らねえ」
○○○
「そう言うことじゃなくって!あの…?」
リヴァイ
「どのかは知らねえが、多分そうだろうよ」
そう言いながら、彼は機械を操作し始めた。
調査兵団。
人類最強。
少し前街中がその話で溢れていた。
確か、地下街出身だと聞いたけれど…
○○○
(エルだったなんて…)
思わず、まじまじと彼を見る。
リヴァイ
「…○○○」
○○○
「?」
呼ばれて、○○○はリヴァイの顔を見る。
リヴァイ
「…」
ふ、とリヴァイの唇が○○○に触れ、離れた。
○○○は顔を赤くする。
彼は笑う。
リヴァイ
「近いうちに、会いに行く」
○○○
「…うん」
バシュ、と音がしたかと思うと、彼の体は木々の枝の中に消えていった。
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