Dream L
□Levi
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今、目の前に彼が居る。
エル、だ。
○○○
「…あの時、怪我は無かった?」
そう思った途端声が、震えた。
リヴァイ
「ああ」
○○○
「何度かここに来たけど、会えなくて」
会いたかった。
会いたくて会いたくて。
生きている事を確かめたくて、何度もここに来た。
リヴァイ
「色々あった」
○○○
「今は、調査兵団?」
彼は、エルヴィンと同じ制服を着ている。
あの時すれ違ったのは、彼だったのだろうか。
リヴァイ
「そうだ」
○○○
「エル…」
リヴァイ
「…ああ」
○○○
「私…」
リヴァイ
「…」
ひゅう、と天井から風が吹き抜ける。
足元の土ぼこりをふわりと巻き上げた。
彼は一歩、また一歩と○○○に近づく。
○○○はもっと話したかった、けれど。
○○○
(何から、話していいのか…)
彼は○○○に触れるか触れないかの所で、止まった。
そっと、彼の手が○○○の頬に伸びる。
○○○の頬に、彼の指先が触れた。
○○○
「エ、ル…?」
彼が何か言おうと、口を開いた時だった。
エルド
「兵長!」
彼は声のした方を向く。
兵長と呼んだ男は、廃墟の向こうを指差した。
屈強な男が、男達を引き連れてこちらに向かってくるのが見えた。
○○○
(あの時と、同じ…)
○○○の背筋にぞわ、と寒気が走る。
手にじんわり汗をかいた。
リヴァイ
「エルド!3時間後、B地点だ。俺が来なかったらエルヴィンに報告しろ!」
エルド
「わかりました!」
そう言うと、エルドと呼ばれた男は空に飛び上がった。
○○○
「!」
彼は○○○の方を向く。
リヴァイ
「○○○、本をしまえ」
○○○
「あ、うん」
○○○はリュックにそれを入れて、背負い直した。
○○○
「きゃ!」
彼は○○○の腰を掻き抱く。
リヴァイ
「首に手回して、歯あ食いしばれ」
○○○
「え?…!!!!」
ガシャ、と機械音が聞こえたと思うと。
リヴァイ
「飛ぶぞ」
○○○
「!!!」
一瞬だった。
ぐん、と○○○は背中に圧力を感じる。
彼の肩越しに見える『図書館』が、あっという間に小さくなってゆく。
○○○は空中から、男達の驚いた顔を見下ろしていた。
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