Dream L
□Erwin
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○○○
「…ん」
パタン、とドアが閉まる音で目が覚めた。
カーテンの隙間から覗く外は、もう明るい。
○○○
「!」
がばり、と起きると○○○はベッドに居た。
開いていたドアの隙間から、エルヴィンの顔が覗く。
エルヴィン
「ああ、起きたかい?」
○○○
「エル、ヴィン」
エルヴィン
「大家さんから、野菜を貰ってきたよ」
ドアを大きく開けたエルヴィンの手には、籠いっぱいの野菜があった。
○○○
「!!、ごめんなさい、私…」
寝坊してしまった。
早く起きて、朝食を用意しようと思っていたのに。
○○○
「ちゃんと、寝た?」
エルヴィン
「隣で?」
○○○
「!」
エルヴィン
「ははは」
○○○
「も、う」
エルヴィン
「もう行かないと」
○○○
「!、ほんと、ごめんなさい」
○○○は急いでベッドを出た。
エルヴィンは玄関へと向かう。
男の人の背中が、この部屋にあるなんていつ振りだろう。
エルヴィン
「こういう時は、ありがとう、の方が嬉しいね」
そう言って、エルヴィンは笑って玄関のドアに手をかけた。
○○○
「あ、りがとう」
エルヴィン
「うん」
○○○
「!」
エルヴィンの唇が、○○○の額に触れた。
エルヴィン
「じゃあ、また」
○○○
「うん、また…」
そう言って、二人は分かれた。
閉めたドア越しに、とんとんと、階段を下りる音が小さくなっていくのを聞いていた。
○○○はドアに背を預ける。
○○○は横の壁に掛けてあるマントを見つめた。
○○○
「…エル」
日に焼けて色褪せたそれに、○○○は小さくため息をついた。
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