Dream L

□Prologue
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リヴァイ
「…」

エルヴィン
「以上だ。…どうした、リヴァイ?」

リヴァイ
「いや」

ハンジ
「エルヴィン、何かいいことあった?」

執務室での打ち合わせが終わり、一息ついた所だった。

エルヴィン
「?」

ハンジ
「最近機嫌が良いからさ」

ハンジがそう言ってリヴァイを見ると、リヴァイもまあな、と同意した。

エルヴィン
「…小さな小鳥が、尋ねてくるからかな」

ハンジ
「小鳥?パンでもあげているのかい?」

エルヴィン
「ああ、そんな所だ」

あながち嘘でもない。

彼女はエルヴィンに本を売った金で、パンを買っている。

ハンジ
「意外だな。あなたが鳥好きなんて」

リヴァイ
「…部屋に戻る」

ハンジ
「ああ、私も戻るよ」

エルヴィン
「明日は9時からだぞ」

リヴァイ
「ああ」

ハンジ
「忘れてないよ」

そう言って二人は部屋を出た。



ハンジ
「小鳥、ねえ。やっぱあれかな」

リヴァイ
「…あれ?」

ハンジ
「女」

リヴァイは、何をいまさら、といった感じでため息をついた。

ハンジ
「だよねえ。そうだよねえ」

リヴァイ
「仕事に支障が出なきゃいいだろ」

ハンジ
「そうなんだけどさ、気になるよ。どんな人か」

リヴァイ
「お前だけだ」

ハンジ
「そう?」

ハンジは思う。

どんな人なんだろう。

あのエルヴィンを射止めたのは。





その日の夕方。

○○○
(今日も遅くなっちゃった…)

○○○は、慣れた足取りでエルヴィンの執務室へと向かう。

窓からは、うっすらと空が夕焼けに染まり始めていた。

もう廊下は薄暗くなっている。

○○○はふと、黒髪の男とすれ違った。

○○○
「!」

くる、と振り返るともういない。

○○○
(気のせい、かな…)

昔好きだった彼に、似ていたような気がする。

○○○
「…」

でも彼は、地下街の人間だ。

○○○
(やだな…)

○○○はため息を着く。

○○○
「エル…」

○○○は小さく、その名を呼んだ。




急いで階段を昇る。

ハンジ
「おっと!」

○○○
「わっ!」

降りてくる人とぶつかりそうになった。

○○○
「ごめんなさい」

ハンジ
「ううん、気をつけてね」

○○○はもう一度ごめんなさい、というと、階段を駆け上がっていった。

ハンジ
「あ、リヴァイ」

階段の下から、リヴァイが顔を出す。

リヴァイ
「…知り合いか?」

ハンジ
「いいや。珍しいよね、この時間に一般人がいるなんて」

リヴァイ
「…」

ハンジ
「…あ」

リヴァイ
「あ?」

ハンジ
「彼女が、エルヴィンの「小鳥ちゃん」かなぁ?」

リヴァイ
「…」

リヴァイは階段の上を見上げる。

確かに向こうに、エルヴィンの執務室がある。

リヴァイ
「…ハンジ」

ハンジ
「ん?」

リヴァイ
「頼みがある」

ハンジは一瞬驚くと、快諾した。

リヴァイは後日、巨人の捕獲作戦に賛成する、という確約を取らされた。


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