荒波一期(仮)

□円堂守の憂鬱
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※キャラ崩壊シスコン円堂守降臨
※純粋じゃない円堂さんがダメな方は戻ってください




――とある日の朝のことである。


登校した俺、円堂守は、妹の美波の下駄箱の前に立っていた。

今日はいつもより早く目が覚めた。勘が働くのか、こういう日は、美波宛の手紙が入れてあったりする。

だから先に家を出て来たんだけど、やっぱり手紙が入っていた。



「はあ……」



今日のは、前にも美波に手紙を送ったやつからだ。俺が処分したことに気づいたんだろう。懲りないやつだ。

ため息が出る。部活がないからって、俺の目に触れずにこの手紙が美波に渡ると思ってんのか。

甘いんだよ。俺は部活がない日は美波より早く家を出て来てるんだ。

大体美波にこんな回りくどいやり方して告白するような奴を、俺が許すわけないだろ。



「……まあ、呼び出して直接告白するのも、許さないけどな」



直接だと顔を覚えてしまうかもしれない。ある程度は仕方ないとして、出来ればそういうやつは減らしたい。

美波は可愛いし優しいし好かれやすい。友達ならまだ俺だって許す。でも異性としてで好きなら容赦しない。

俺の可愛い可愛い大事な片割れ。そう簡単にどこの馬の骨かもわからないやつにやってたまるか。

もちろん知ってるやつだからっていいってわけじゃない。

豪炎寺と鬼道とか。いや大事なサッカー部の仲間だよ。でもさ、サッカーの話題で美波釣るのやめろよ。

俺も美波もサッカー好きだから簡単に釣れるけどさ、サッカーに頼らないと話せないのかよ。

まあそれ以外の話もたまにしてるけどさ。夕香ちゃんとか、音無とか。

……妹に頼らないと録な会話出来ないのか?あのシスコンビ。俺もシスコンだって?ははっ、自覚してるさ。

他には佐久間とか。何でか分からないけど、ペンギンの話題で盛り上がってるし。

付き合わされてるのかと思ったら美波も結構楽しそうで、どうやら布教されたらしい。……今度シメに行くか。怪我人だけど。

あと風丸。付き合い長いし。小学校からの付き合いで、美波に紹介してもらって知り合った。あの頃から好きだったんだと思う。

ずっとクラスが違ったからな……。同じだったら未然に阻止出来たかもしれない。今そんなこと考えても仕方ないけど。

風丸は俺と同じで、サッカー部以外の美波が好きな好意を持つやつに釘を刺してる。いやお前もだろって言いたくなるけど、あえて言わない。

なんでかって、幼馴染みとしてしか見られてないから。よかったなと言いたいけど、まあ……不憫だとも思う。きっと美波は……。

ガーッ



「っ、おっと」



考え事しながらシュレッダーにかけるのは危ないな。

内容を読んでから、シュレッダーにかけて細かく細かくしていく。よし、これでもう読めない。昼休みに校舎裏。ベタだな。

紙屑を燃えるごみのごみ箱に入れて完了。これでよし。



「あ、守兄!何で先行っちゃうんだよー!」

「ごめんごめん!ちょっと用事があったんだ!」

「もー……」



教室に行く途中で、美波に会った。珍しく寝坊したのか、寝癖がついてる。



「寝癖まだついてるぞ」

「え!どこ?」

「ここ、はねてるぞ」

「あ、一朗太!おはよ!」

「おはよう」



風丸がやってきて、美波の寝癖を直した。睨んだら直ぐに少し距離を取った。全く、油断も隙もない。

しかも同じクラスだし。半田とマックスはいいけど。鬼道が入ったクラスが美波のクラスじゃなくて、本当によかったと思う。

でも警戒はちゃんとしないとな。美波は今はサッカーに一直線だけど、いつ影響されるかわからないし。

……でも、本当に美波に好きな人ができたら、その時は……。



「はあ……」

「どうしたの?守兄ぃ」

「何でもないって!」



応援してやりたいと思う。けれど、嫌だとも思う。

……憂鬱、だな。





***
シスコン円堂守でした。キャラ崩壊にも程がある。誰だお前。心の声の口調とか、色々と大変なことになってますね。ごめんなさい。
風丸は大事な幼なじみだけど、それとこれとは話が別です。でも風丸と美波の間には小学生の時にちょっとしたことがありまして。
それを円堂さんはその場にはいなかったものの、あることについて薄々勘づいているので、風丸へのセコム発動頻度は低いです。

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