荒波一期(仮)

□音無春奈の疑問
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※下ネタ?






部室にて、秋と春奈はいつものようにドリンクやタオルの準備をしていた。そんな中、ふと春奈は口を開いた。



「木野先輩……」

「どうしたの?」

「私、前々から思っていたことがあるんです」

「思ってたこと?」

「美波先輩って、アレが来たらどうしてるんだろうって」

「アレ……?」



秋は不思議そうに首を傾げたが、やがてアレが意味するものを理解し、顔を赤らめた。



「音無さん。もしかしてアレって」

「はい!せ」

「ストップ!」



言おうとした春奈の口を、秋は慌てて押さえた。



「そんな大きな声でそんなこと言ったらだめよ」

「あっ、すみません!」

「でもどうしてそんなこと」

「だって美波先輩は毎日グラウンドを走り回ってるじゃないですか!やっぱり大変なんだろうなーって」

「……」



確かに、流石はサッカーバカといったところか、美波は飽きることなくグラウンドを駆けている。

だとしても、それは今言うべきことだったのだろうか……と秋は思った。そもそも、そんなことを秋が知っている訳がない。



「私にそんなこと聞かれても……」

「やっぱり美波先輩本人に聞くしかありませんね」

「え」



聞いてきます!と、春奈は手元のスクイズボトルを数本持ち、部室を飛び出した。

開け放たれた部室のドアの外を見れば、丁度休憩をとるらしく、ベンチ付近に集まっていた。

……まさか、周りがほぼ男子の状態で聞くのだろうか。

嫌な予感が秋の脳内を過るが、流石にそこまではいかないか……とドリンクやタオルを持って歩き出した。



「でも……」



春奈の行動力を考えると、周りが男子だらけだろうがなんだろうが、聞いてしまいそうな気がする。



「……」



秋はドリンクとタオルを持ち直し、走り出した。






「美波先輩!」

「ん?」

「先輩はアレがきた時ってどうするんですか?」

「え?」



突然の春奈の質問に、美波はきょとんと春奈を見つめる。

次の瞬間、風丸は盛大にドリンクを吹き出した。目の前にいた円堂にかかり、ポタポタと前髪から雫が落ちる。

後から走ってきた秋はそんな様子を見て、遅かった…とため息をついた。

風丸以外にも、赤面したり、かけていたタオルで自分の首を絞めかけたりと、各々何らかの反応をしている。



「皆さん大げさですね…」



肩を竦める春奈に、一同は「大げさじゃない!」とツッコミを入れた。声には出さなかったが。

あのいつも比較的冷静な豪炎寺でさえ赤面し石化しているのだから、男子陣のダメージは相当なものである。

ちなみに当の本人は、



「アレ……?」



と、よく理解出来ていなかった。



「ほら、女の子のアレですよ!」

「ばっ、それ以上言うな音無!」

「あ、生理のこと?」




アッ―――!


爆弾投下。



「みんなちょっと大げさだよ」

「……これが普通の反応だ」



からりと笑う美波に、冷静さをなんとか保とうと苦し紛れに豪炎寺が返す。

その気はなくとも畳み掛けるように「"せいり"って何だ?」と現状を理解していない円堂に聞かれ、豪炎寺はもう逃げたくなった。

「…知らん」と顔を赤らめつつそっぽを向き、タオルに顔を埋める。言えない。言える訳がない。何だこの公開処刑。



「で、どうなんですか?」

「あー、あたしまだきてないんだ。1度も」

「そうだったんですか」

「うん。それにしてもみんなどうしたのかな、秋?」

「……うーん、どうしたんだろうね」

「ねえ、染岡」

「俺に振るな!」

「なあ、半田。どういう意味なんだ?」

「……保険の教科書読んできてくれないか」



もう嫌だこのにぶちん兄妹!


余談だが、風丸は暫く石化したままであった。








○月×日
今日、美波先輩に前から気になっていたことを聞いてみた。
面白い反応が見られるんじゃないかってみんなの前で聞いたら、思った通りの反応が見られた。特に風丸さんの慌てっぷりが!
豪炎寺さんでさえ顔を赤くするなんて、隠し撮りした写真は高く売れそうです。



「これでよしっと」



春奈は自室で日記を閉じると、夕飯を食べに部屋を出ていった。






***
すいません一回やってみたかったんです許してください。

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