短編(女体化)
□泉とレンズ越し
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あぁ、夢咲。
私の夢咲は今日も可愛いねぇ。
なんでそんな可愛いんだろう?
初めて会った時から穢れを知らない綺麗な瞳と目が合う度に、アンタの視界に私以外を入れたくなくてみんな消してやりたいって思ってるの。
ほんと、綺麗。
「あっ、おはようございます!」
あぁ、もう。キラキラ光る笑顔の威力ったら……。
「昨日は遅くまで付き合って下さってありがとうございました!」
可愛いなぁ。そんなの別に気にしなくていいのに。律儀にお辞儀までしちゃってさぁ?
確かに私は夢咲より先輩だけどそんな畏まらなくてもいいよ。
まぁ、畏まらなくていいのは夢咲だけだけど。
夢咲のためならなんだってしてあげるんだから。
「結局家まで送ってもらっちゃって……」
申し訳なさそうな顔をする夢咲を抱きしめたい衝動に駆られる。
あれ?でも、別に我慢する必要ないんじゃない?女の子同士だし、抱きしめても問題になることなんて別に……。
いや、でも私は大人で頼りになるお姉ちゃんとして振舞ってるから夢咲の前でデレデレするわけにはいかないか……。
「でも、おかげで次のフェスも成功しそうです。先輩のおかげですね」
ほんのり赤い頬で見上げる夢咲に胸を撃ち抜かれた。
もう、抱きしめちゃおう。夢咲が可愛すぎるのが悪い。
「ほんと、作曲を手伝って下さってありがとうございました。月永先輩!」
はぁ……。
早くこっち向いてくれたらすぐにでも抱きしめるんだけどなぁ。
深い溜め息と共に私はカメラの画面に映る夢咲にそっと触れたのだった。