お試しブック

□桃太郎
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配役


桃太郎 土方歳三
お爺さん 斎藤一
お婆さん 沖田総司
鬼 風間千景


《あらすじ、台本》


昔、昔……そのまた昔、ある所にお爺さんとお婆さんが居ました。


お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に……


川で洗濯をしていたお婆さんは、川から大きな桃が流れてくると、それを家へ持ち帰りました。



お爺さん、お婆さんは その不思議な桃を切ってみると あら不思議!そこから元気な男の子が生まれてきました。



男の子は悪さを働く鬼を退治するために、鬼退治に向かう事にしました。


そして、お婆さんが作ってくれたきびだんごを渡すと、猿、キジ、犬がお供として鬼退治に付いていく事になりました。が、今回は省略。


鬼ヶ島につくと桃太郎は大活躍し、鬼を無事退治し平和が訪れたのでした。



《これは隊務です》



台本の最後にそう書かれていた。



土「随分とアバウトな桃太郎だな……」



沖「台本からして、全くやる気を感じさせないシナリオですね」



斎「キジ達の配役が居ないが」



沖「ただ、作者が楽したいからじゃない?」



風「鬼が退治されるとは聞き捨てならん」



土「退治も何も……これはやる意味はあるのか??」



沖「ないですね」



斎「しかし、隊務とあらば」



暫し無言の時が流れる。



土「ちっ………ああああ!!ちゃっちゃと、終わらせるぞ」



沖「はいはい。土方さんが主人公なんて、つまらない話はすぐ終わらせますよ」



土「好きで主人公なわけじゃねえよ」




斎「いや、適役かと」



少しだけ嬉しそうな斎藤を他所に、仕方なく衣装に着替えるとセットに向かった。



お爺さんは山へ芝刈りに、そしてお婆さんは川に洗濯へ向かうと、そこに大きな桃が流れて来ました。




沖「……………………」



どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶ………………



お婆さんは、何もなかったようにその場を後にした。



土「おい!!総司!!桃を拾わなきゃ話が始まらねえだろうが!」



沖「だって、拾わなければすぐ終わるじゃないですか」



土「そう言う問題じゃねえだろうが」




Take2



お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯へ行くと大きな桃が流れてきました。



どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ どんぶらこ……



沖「面倒だけど拾わなきゃだよね…………やだな………」



斎「では、俺が拾おう」



沖「あれ?芝刈りは?」



斎「全て手入れは済ませてきた」



見上げた山はピカピカになっていた。



沖「本当、仕事早いよね」



大きな大きな桃を家に持ち帰ると、少し息切れしたお爺さんは、台所に包丁を取りに席を立つ。



すると、お婆さんはクスッと爽やかに笑った後、鞘に手を当てるとゆっくり刀を抜きひと思いに桃を斬った。



斎「な、何をっ……!!!!!」



振り下ろした刃は桃を貫くと、刃物が激しく交わる音がする。




《キーーーーーーーーーン》



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