読み物
□夢
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喉に突き刺さる冷たい感触。
刺さっているのは一本のナイフ。
それは俺を殺す為のものだ。
整った容姿の男が俺に向けてナイフのような目線を送っている。
俺はそいつに覚えはないが、強い殺意を向けられているというのはわかる。
殺意は既に消化されてしまった後のようだが。
男が俺の喉に刺さったナイフを抜き取ると、一仕事終えたように話し出す。
「ふう、やっと捕まったな。しかし気の毒だなあ、抵抗しなきゃもうちょっと楽に死なせてやれたのに」
俺はどういう経緯でこの状況になったのかはわからないが、もうじき意識が飛ぶってことは確かだ。