黒魔女さんブック
□気持ちは届かなくて
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一目見たときから、あの子はすごい黒い魔力があるなと思った
初めは気になっているだけだった
好きになるなんて思いもしなかった
だから俺はこのすきという感情をどうにかしたくて
麻倉に負けないように愛を叫んだ
ほとんど毎日
でもそれは黒鳥からしては大変迷惑だった
そんなのわかってたんだけど
叫べば思いは少しでも通じるかと奇跡を信じて
ずっとずっと麻倉と叫びあう
こんな幼稚な事をしていたら
いつの間にか黒鳥は大形ものなっていて
最初は奪ってやる思っていたけど
俺の声は黒鳥には全然届いてなくて
挙げ句の果て大形に睨まれて
麻倉は違う彼女を見つけて
俺は一人になった
情けない…と思っているが
未だに黒鳥のことが頭から離れなくて
とっくに黒鳥は大形のものなのに
俺が横入りする隙間なんてこれっぽっちもないのに
「……東海寺くん」
不意に横から声がして見てみると
美珠亜がいた
何でいるんだろうか
と思ったが、今の俺にはそんな事考えてる余裕なんかなくて
「…あんまり無理しないでね」