銀河系惑星

□forget*
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(クリスホ恋人前提で。)



2014年5月


今日の練習にもクリスはいない。

コンサートが近いのに。


電話もメールも来ない。


クリスのポジションには振付師が入り、誰もクリスのことは口にしないで黙々と練習を続ける。


カイとレイは腰が痛いようで思うよう踊れずイライラしているし

チャニョルはダンスが覚えきれていなくてルハンが付きっきりで教えていたけどまだ、だ。


なんだかピリピリした空気で、無駄口を叩く人間はいない。


休憩入れたほうがいいかな なんて考えていると練習室の外が騒がしくなってその扉が開けられる。


「おい!大変だ!」

マネヒョンが大慌てで飛び込んできてぞろぞろと集まったメンバーにiPadの画面を見せる。


クリスが訴訟...?


ずっと踊っていて暑いはずなのに体の芯がすぅっと冷めていく。


メンバーの携帯がひっきりなしに鳴り出しルハンがその一つを蹴り飛ばした。


どうしよう。

ダメだ、僕がしっかりしなきゃ。


タオが部屋の隅で膝を抱えて泣いてる。
慰めに行かなきゃ。

チャニョルが練習室を出た。
引き止めなきゃ。

ベクが壁を殴ってる。
止めに行かなきゃ

カイとセフンは目が泳いでいる。
声をかけなきゃ。


ダメだ、僕が、僕が...


頭がぐるぐるしてきてその場にしゃがみ込むと、肩にポンと手が置かれ、

「ジュンミョン...今日は全員宿舎帰れ。こんな状態じゃ練習できないだろ。」


マネヒョンはポケットからバンの鍵を取り出した。


それぞれがカバンを持ち練習室を出る。


タオはまだ隅っこに座り込んでいて

ルハンがイライラした面持ちで
「タオ、立って。行くよ。」
と腕を引っ張る。

そのままズルズルと引きずられるよう部屋を後にする。


とてもじゃないが事務所の正面からは出られない。


裏口から出てバンに乗り込む。



タオが泣きながら中国語で捲し立てルハンがそれに反応して口論になった。

中国語わからない...


慰めるようにレイがタオの背中を撫でているがタオの興奮は収まらないようだった。

意味がわかったのであろうミンソクとジョンデは顔を見合わせ悲しそうな顔をする。


こんな時気の利いた言葉もかけてやれないのか、僕は。


もともとリーダーなんて出来るタマでは無い。

ただ真面目なことが取り柄なだけで。





続きます
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