裏僕
□1話
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貴「九十九…?」
ドアを開けたのは落ち着かない様子の九十九だった
九「朔月…大丈夫?」
突然の事に心拍数が跳ね上がる
九十九のこの様子では間違い無いだろう
九十九に聴かれた
その事実だけで戸惑いを隠せなくなる
貴「大丈夫だよ」
笑顔を作り不安な気持ちを気づかれないように
心に蓋をして応える
九「そう…」
貴(信じてくれた)
多分今の声も聴かれているのだろう
しかし、それ以上は踏み込んで来ない
そんな優しさが温かくも感じる
九「あ、俺朔月を呼びに来たんだ」
貴「へ?」
突然の話題転換に間抜けな声を漏らしてしまった
九「昼食だから呼びに来たんだ、一緒に行こう?みんな待ってるよ」
そう言って微笑んでくれるからつられて俺も微笑む
「あー!!!朔月くんが笑った!」
貴「…俺も普通に笑いますよ。橘さん」
急に声が聞こえて驚いたが冷静に言葉を返す
何故か橘を相手にすると冷ややかになると自分でも感じているが、人間性で判断してるという事にしておく…
橘「ほらほら急ぐ!みんな待ってるヨ!!」
九「そろそろ行こうか」
貴「うん、」
ペンダントをつけてみんなの元へ急ぐ
少しだけ心の重荷が降りた気がした